映画「15時17分、パリ行きを観終えて、アンソニー・サドラー、スペンサー・ストーン、アレク・スカラトスのその後が気になりませんか。
今回は実話に基づいた列車内テロ「タリス銃乱射事件」の詳細と、3人がどう歩んだのかを紹介します。
自分も調べてみて、なんだか誇らしく感じたので、そのまま記事にしました。
映画「15時17分、パリ行き」とは?
事件の舞台となった2015年8月21日、オランダ・アムステルダムからフランス・パリに向かうタリス列車に、武装したアイユーブ・エル・カメルが乗り込んだところから話が始まります。
この時、アンソニー・サドラー、スペンサー・ストーン、アレク・スカラトスは旅行中で、列車の中で突然の危機に直面します。
列車内での勇敢な行動
列車が走行中、スペンサー・ストーンは異変に気づいて立ち上がりました。
スペンサー・ストーンは迷いなく武装犯に立ち向かい、アレク・スカラトスもすぐに参加。
アンソニー・サドラーは乗客・クリストファー・ノーマンとともにアイユーブを制圧しました。
この瞬間、自分だったらそんな勇気が出るだろうかと、観ていて何度も思いましたね。
映画「15時17分、パリ行き」実話の「タリス銃乱射事件」とは?
この事件は、2015年8月21日に実際に起きた国際列車内での銃撃未遂事件です。
映画を観ると一気に引き込まれますが、その背後にある「現実」は、想像以上に緊迫していて危険なものでした。
自分も初めて知ったとき、背筋がぞっとしました。
ふつうの旅行客があんな極限の場面に出くわして、しかも自分の命を賭けて立ち向かったなんて…まさに現代の奇跡のような出来事です。
タリス列車とは?
事件の舞台となった「タリス(Thalys)」は、フランスの高速鉄道のひとつです。
ヨーロッパを旅する人にはおなじみで、オランダのアムステルダムからベルギーのブリュッセル、フランスのパリへと繋ぐ主要ルートを走っています。
この日、タリス9364号はアムステルダムを午後3時17分に出発し、パリへ向かって走っていました。
列車にはアメリカ人観光客を含め、500人以上の乗客が乗っていたと言われています。
アイユーブ・エル・カメルの襲撃
事件を起こしたのは、モロッコ出身の当時25歳、アイユーブ・エル・カメル。
列車に乗車したときには、スーツケースの中にAK-47自動小銃、ピストル、ナイフ、そして多くの弾薬を隠し持っていたことが後の調査で明らかになりました。
アイユーブは、ベルギーのブリュッセル南駅を過ぎたあたりでスーツケースから武器を取り出し、トイレの中で銃を組み立て始めたようです。
偶然、その場面を目撃したフランス人乗客マーク・ムーガリアンが最初に対応しました。
マークは勇敢にもアイユーブに飛びかかって武器を奪おうとしましたが、もみ合いの末にピストルで撃たれ負傷してしまいます。
一瞬で変わった空気と乗客のパニック
列車内は一気に騒然とします。
まさかの武装テロ。乗客たちは叫びながら席を離れ、車両の奥へと逃げ込む人が続出しました。
その中で、アメリカから旅行に来ていたスペンサー・ストーン、アレク・スカラトス、アンソニー・サドラーの3人が立ち上がります。
まず、スペンサーが真っ先に銃を持ったアイユーブに突進。
スペンサーは軍隊での格闘技や救命処置の訓練を受けており、ためらうことなく向かっていきました。
銃口を向けられても、足を止めなかったのです。
アレクが加勢して、2人でアイユーブを取り押さえます。
その間にアンソニーが、付近の乗客・クリストファー・ノーマンと協力して、後ろ手に縛り上げました。
全てが、ほんの数分間の出来事だったそうです。
でもこの数分で、数百人の命が守られたわけです。
被害者と回避された最悪の事態
マーク・ムーガリアンは首を撃たれながらも命を取り留めました。
すぐにスペンサーが応急処置を行ったおかげで、出血を最小限に抑えることができたのだそうです。
現在も元気に生活しているとのことで、それを聞いてとても安心しました。
それにしても、もし3人がいなかったらどうなっていたか…。
アイユーブは完全武装で、しかも銃弾は200発以上持っていたと言われています。
ヨーロッパ中を震撼させる大惨事になっていてもおかしくなかったはずです。
3人の英雄に贈られた勲章と感謝
事件後、アンソニー・サドラー、スペンサー・ストーン、アレク・スカラトスの3人はフランス政府から「レジオンドヌール勲章(レジオン・ドヌール)」を授与されました。
この勲章は、フランスで最も権威ある国家勲章で、命をかけて他人を救った功績を讃えるものです。
その後、アメリカ政府からも表彰され、国内外で「英雄」として称賛されるようになりました。
自分も、映画で初めて彼らの存在を知ったとき、こんなにまっすぐな行動をとれる人たちがいるのかと本当に驚きました。
派手なセリフやスローモーションよりも、現実の「正義」はもっと静かで、もっと強いものなんだと感じた瞬間でした。
映画「15時17分、パリ行き」実話本人のその後は?
あの事件から数年が経ち、アンソニー・サドラー、スペンサー・ストーン、アレク・スカラトスはそれぞれの人生を歩んでいます。
自分が調べてみたら、驚くほど普通の青年でありながら、あの時の勇気に本当に胸を打たれました。
アンソニー・サドラーの歩み
アンソニー・サドラーは事件後、メディアに登場することよりも静かに過ごす選択をしました。
事件当時、目立ったリーダー的存在ではなかったものの、周囲を支えた姿が印象的でした。
現在は友人や家族との時間を大切にしながら、時々公共の場で講演を行っています。
スペンサー・ストーンの成長と活動
スペンサー・ストーンは空軍特殊救命医療隊(空軍パラレスキュー)の一員として活躍していましたが、事件後に医療分野への関心が高まり、自らが体験したことを医療従事者育成に役立てています。
あの瞬間の判断力や行動力を、自分の健康管理や人助けの使命感につなげている姿に、尊敬の念を抱きました。
アレク・スカラトスのその後の人生観
アレク・スカラトスは軍人としてキャリアを積んだ後、防犯や危機対応に関する専門家として活動しています。
今も講演や研修を通じて、自分が体験した恐怖と勇気の物語を語り継ぐことを使命としているのです。
映画「15時17分、パリ行き」実話「タリス銃乱射事件」事件後の影響と社会へのメッセージ
事件から得られるメッセージは大きく二つあるように感じます。
一つは「普通の人が非常時にこそ強くなる」ということ。
そしてもう一つは「友情や絆が行動の力になる」ということです。
普通の人が無名の英雄に
この映画を観た後、自分の中に「自分もそうなるかもしれない」という思いが芽生えました。
仕事や日常生活では気にも留めないような場面で、思いもよらない勇気が出るかもしれないという、自信に似た気持ちが湧いてきたのです。
絆が奇跡を生む理由
アンソニー・サドラー、スペンサー・ストーン、アレク・スカラトスの関係は単なる友人ではなく、深い信頼と絆で結ばれていました。
幼少期からの関係が、事件当日の行動を支えていたんです。
そのことを知って、自分の人間関係をもっと大切にしようと改めて思いました。
映画「15時17分、パリ行き」実話と比較
映画『15時17分、パリ行き』は実話を基にしているとはいえ、演出上の工夫や省略された部分もあります。
実際の出来事と映画の描き方を比べてみると、違いや共通点が見えてきます。
自分が感じた印象も交えながら、詳しく解説していきます。
本人が演じるリアルな表現
映画最大の特徴は、実際に事件を体験したアンソニー・サドラー、スペンサー・ストーン、アレク・スカラトス本人が自分たちを演じていることです。
これはハリウッド映画としてはかなり異例の試みで、最初に聞いたときは「演技できるのかな?」と半信半疑でした。
ところが観てみると、その自然な佇まいが逆にリアルで、作り物感が一切なかったんです。
ぎこちなさはあるものの、それがむしろ緊張感を高めていました。
幼少期からの描写は映画オリジナル要素も多い
映画では3人の少年時代から描かれていて、スペンサー・ストーンとアレク・スカラトスのやんちゃぶりや、母親たちとの関係も細かく描写されていました。
実際のエピソードをベースにしている部分もありますが、全てが史実通りというわけではありません。
たとえば、学校でのエピソードや進路に悩む様子などは、人物像を深掘りするための脚色や補足が加えられていたようです。
ただ、映画としての説得力はむしろこのパートで強く感じました。
人物に親近感が湧くからこそ、あの列車内の出来事がより胸に響くのだと思います。
事件当日の再現度は非常に高い
タリス列車内での出来事に関しては、驚くほど忠実に再現されています。
銃撃音、叫び声、混乱、そして3人の動き――。
どの場面も実話とほぼ同じ流れで構成されていて、事件の再現ドキュメンタリーを観ているような臨場感がありました。
実際、アレク・スカラトスが銃を取り上げる場面や、スペンサー・ストーンがマーク・ムーガリアンの傷を処置するシーンは、証言や報道と照らし合わせても非常に正確です。
このパートは脚色というよりも、まさに「再現」に近いと感じました。
メディアの報道と映画の違い
事件後の報道では、3人の名前と行動が大々的に取り上げられ、「英雄」という言葉が何度も使われていました。
一方、映画では彼らの行動はあくまでも自然体に描かれていて、「普通の青年がやるべきことをやった」というニュアンスが強調されていたように感じます。
スペンサー・ストーンの祈りの場面や、3人の旅行中のささいな会話もそうですが、英雄的な演出よりも「人間的な心の揺れ」を丁寧に描こうとする姿勢が見えました。
これはクリント・イーストウッド監督ならではの視点かもしれません。
事件後の生活に関する描写は映画では省略されている
実際には、アンソニー・サドラー、スペンサー・ストーン、アレク・スカラトスは事件後に表彰を受け、多くのメディアに登場し、それぞれの道を歩んでいます。
ただ、映画ではその後の生活や活動についてはほとんど触れられていません。
結末ではフランス大統領から勲章を受ける場面で締めくくられますが、その後どうなったかが気になった方も多いのではないでしょうか。自分もそうでした。
だからこそ、映画を観終えたあとで本人たちの今を調べたくなるんですよね。
その意味では、観た人の「その後を知りたい」という自然な欲求を生む作りになっていると感じました。
まとめ
この記事を書きながら、自分の胸に刻まれた感情を整理してみました。
冷静な判断、勇気、そして仲間への信頼。どれも当たり前じゃないけど、日常の中で育むことはできそうだと感じました。
あの日、列車内であの3人が行動したのは偶然ではなく、強い信念と絆があったから。
私たちの日々の絆も、もしかしたら未来の何かを支える力になるかもしれません。
今回の記事では、タリス銃乱射事件の概要からアンソニー・サドラー、スペンサー・ストーン、アレク・スカラトスのその後までしっかり振り返ってみました。
「普通の僕/私が、いつか誰かのヒーローになるかもしれない」。
そんな希望を、この記事が読んでくれた人に少しでも届けられたらうれしいです。
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