1994年、アメリカのフィギュアスケート界を揺るがせた衝撃の襲撃事件。
その渦中にいたのが、トーニャ・ハーディングという一人の女性スケーターだった。
映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』は、人生と事件の顛末を、本人や関係者たちの“食い違う証言”を交えながらブラックユーモアと皮肉を交えて描いた作品です。
映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」解説
- 原題:I, Tonya
- 公開年:2017年(日本公開:2018年)
- 監督:クレイグ・ギレスピー
- 脚本:スティーヴン・ロジャース
- ジャンル:伝記映画、ブラックコメディ、スポーツドラマ
- 実話ベース:1994年のナンシー・ケリガン襲撃事件を元に制作
- 受賞歴:アリソン・ジャネイがアカデミー助演女優賞受賞
主なキャスト
- マーゴット・ロビー:トーニャ・ハーディング(主人公、フィギュアスケーター)
- セバスチャン・スタン:ジェフ・ギルーリー(元夫、事件の中心人物)
- アリソン・ジャネイ:ラヴォナ・ハーディング(トーニャの母、毒親)
- ジュリアンヌ・ニコルソン:ダイアン・ローリンソン(トーニャのコーチ)
- ポール・ウォルター・ハウザー:ショーン(ジェフの友人、実行犯を手配)
- ボビー・カナヴェイル:マーティン・マドックス(マスコミ記者)
映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」あらすじ・ネタバレ
1970年代のオレゴン州ポートランド。
貧しい家庭に育ったトーニャ・ハーディングは、幼少期からスケートの才能を開花させます。
しかし、その陰には過干渉で暴力的な母ラヴォナの存在がありました。
トーニャは才能と努力で州大会を勝ち抜き、10代で全米に名を轟かせる存在に。
15歳の時に出会ったジェフ・ギルーリーと交際を始めるも、その関係もまた暴力と依存に満ちたものでした。
トリプルアクセル成功と1992年の失敗
トーニャは1991年、女子選手としては史上初めてトリプルアクセルに成功。
一躍スター選手になりますが、スケート界の「品格」「家柄」といった価値観の中で疎外感を感じる日々が続きます。
結婚生活は崩壊寸前、母との確執も続きます。
1992年のアルベールビル五輪では4位に終わり、世間からの風当たりが強くなっていきます。
ナンシー・ケリガン襲撃事件
1994年、リレハンメル冬季五輪を目前に控えたある日、トーニャのライバル、ナンシー・ケリガンが練習場で何者かに膝を殴打されるという衝撃事件が発生。
実行犯はトーニャの元夫ジェフの友人ショーンの手配によるものでした。
当初、ジェフとトーニャは「知らなかった」と主張。
しかし、FBIの捜査が進むうちに、トーニャがナンシーの練習場情報を手書きで提供していたことが発覚。
マスコミは連日騒ぎ立て、トーニャは疑惑の渦中に。
それでもアメリカ代表として五輪出場は認められます。
スケート界追放、そして転落と再起
オリンピック本番、トーニャは靴紐トラブルに見舞われ演技を中断。
やり直しのチャンスを得たものの、実力を発揮できず8位で終了。
ケリガンは銀メダルを獲得しました。
その後、裁判でトーニャはスケート界から永久追放処分を受けます。
生きる道を失ったトーニャはプロボクサーへ転向。
一時的に話題になりますが、その後は転職を繰り返す生活へ。
映画のラストでは、現在は一児の母として平穏に暮らしていることが語られます。
一方で、母ラヴォナとの関係は完全に断絶。
ジェフは名前を変えて新たな家庭を築いていました。
映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」の評価と特徴
この映画が異彩を放っているのは、事実をただなぞるのではなく、インタビュー形式で登場人物たちの「食い違った証言」をそのまま描いているところ。
誰が本当のことを言っているのか、観る側の想像に委ねる構成になっています。
ブラックユーモアとドキュメンタリースタイルを織り交ぜ、スキャンダルの裏にある「貧困」「家庭内暴力」「社会階級」という重たいテーマをあぶり出します。
マーゴット・ロビーは、フィギュアスケーターの激しい練習を体得しながら、トーニャの複雑な感情をリアルに演じました。
また、母親役のアリソン・ジャネイは圧巻の怪演でアカデミー賞助演女優賞を獲得。
映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」感想
映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』を観てまず思ったのは、「こんなにむちゃくちゃな人生を送ってきたスケーターがいたのか…」という衝撃でした。
やったことは決して正当化できないけれど、そこに至るまでの過程があまりにも過酷で、単純に悪人として片付けられない気持ちになりました。
幼い頃からずっと暴力と貧困の中にいて、スケートだけが唯一の希望だったのに、周りには味方がほとんどいない。コーチも母親も恋人も、どこかで勝手な期待や支配を押しつけてきて、まともな愛情が感じられない。そのくせ、ちょっと成功すると手のひらを返して叩かれる。この構図って、今の社会にも似てると思いました。
トリプルアクセルの成功シーンは本当に鳥肌モノで、「なんでこのあと転落していくんだ…」って思うと胸が苦しくなった。スケートの実力は文句なしにすごいのに、結局は“印象”や“育ち”で評価が決まってしまうのかという、悔しさとやるせなさが残る展開でした。
マーゴット・ロビーの演技もすごかったです。力強くて、痛々しくて、でもどこかユーモラスで、目が離せない。母親役のアリソン・ジャネイも圧巻でした。あの毒親っぷりは本当に怖くて、笑えないのに笑ってしまうような、絶妙なバランス。
観終わったあと、ただのスキャンダル映画じゃないと感じました。これは報道の偏り、社会の冷たさ、そして弱さを見せた人間に向けられる視線の残酷さを描いた作品。偏見で人を追い詰めてしまう怖さを突きつけられた気がしました。
名前だけは聞いたことがあるような存在が、こんな人生を送っていたんだと知って、見方が大きく変わった。スケートファンじゃなくても、何かしら心に刺さるものがあると思います。
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まとめ
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』は、ただのスポーツ伝記映画ではありません。
社会に「好かれること」が成功の鍵になるフィギュア界で、愛されないがゆえに突き落とされていくトーニャの悲劇と葛藤をユーモアを交えて描いた異色の実話映画です。
スキャンダルの裏に隠れた「もうひとつの真実」を、観る者に問いかける濃密なドラマとして、フィギュアスケートに詳しくなくても十分に楽しめる作品です。
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