映画「フラッグ・デイ 父を想う日」実話のモデルは誰?映画と実話の違いも紹介

映画「フラッグ・デイ 父を想う日」実話のモデルは誰?映画と実話の違いも紹介
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映画「フラッグ・デイ 父を想う日」は、犯罪映画として見ると肩すかしを食らうかもしれません。

贋札事件という大事件が土台にあるのに、映画が一番しつこく追いかけるのは、父親ジョン・ヴォーゲルと娘ジェニファー・ヴォーゲルの距離です。

この作品は「実話ベース」と言われますが、実話の情報だけを集めても、映画の痛さは分かり切りません。

実話のモデルが誰なのかを押さえたうえで、映画がどこを変え、どこを残したのかを知ると、見終わったあとの後味が変わります。良い方向に変わるというより、逃げ場がなくなる感じです。

この記事では、実話のモデル、原作の立ち位置、映画と実話の違いをできるだけ具体的に整理します。

 

目次

映画「フラッグ・デイ 父を想う日」実話のモデルは誰?

映画「フラッグ・デイ 父を想う日」実話のモデルは誰?映画と実話の違いも紹介

映画「フラッグ・デイ 父を想う日」は、ジェニファー・ヴォーゲルが書いた回想録が土台です。

ここがまず大事です。

第三者が事件をまとめた本ではなく、娘ジェニファー・ヴォーゲルが「家族として巻き込まれた時間」を自分の言葉で書いた記録です。

回想録ベースの映画は、事件の正確な年表よりも、当事者がどこで息が詰まったのかを優先します。

だから映画の場面は、ニュース映像や逮捕の派手さより、家の中の空気や、車の中の沈黙に力を使います。

「父親が犯罪者だった」という話は、世の中にいくらでもあります。

でもジェニファー・ヴォーゲルの立ち位置は、もっと面倒です。

父親ジョン・ヴォーゲルがいなくなって困っただけではなく、父親ジョン・ヴォーゲルが現れた瞬間に救われた気持ちも残っている。

ここがきれいに割り切れないから、回想録は強いし、映画も強くなります。

 

父親のモデルはジョン・ヴォーゲルという実在の贋札犯

映画の父親ジョン・ヴォーゲルは架空の人物ではありません。

ジョン・ヴォーゲルは実在し、贋札事件で大きく報じられた人物です。

報道では、非常に高い技術で大量の偽札を作った犯人として語られます。

映画でも、事件の規模が数字で示されますが、ここは媒体によって表現の幅が出やすい部分です。

金額の細部より「桁が違う」という事実のほうが重要で、そこがジョン・ヴォーゲルの異常さを支えています。

ただ、映画が怖いのは、ジョン・ヴォーゲルを「天才犯罪者」として持ち上げないところです。

ジョン・ヴォーゲルの手口より、ジョン・ヴォーゲルが家族にどう接したかを前に出します。

家族を喜ばせるのが上手い。記念日に弱い。泣き顔を見せられる。

言葉が甘い。なのに、次の瞬間にいなくなる。

この繰り返しが、事件の規模より嫌なリアルさを残します。

 

映画の人物配置

映画は、ショーン・ペンが監督し、ショーン・ペンが父親ジョン・ヴォーゲルを演じています。

娘ジェニファー・ヴォーゲルを演じるのはディラン・ペンです。

この配役は、ただの話題作りではなく、親子の距離を真正面から撮るための選び方に見えました。

映画は、捜査側の人物や事件関係者を厚く描きません。

ジョン・ヴォーゲルとジェニファー・ヴォーゲルの会話と、母親パティの荒れ方に寄せます。

事件を追う映画ではなく、家庭の中で起きた崩壊を追う映画だからです。

 

映画「フラッグ・デイ 父を想う日」実話の違いはどこ?

映画「フラッグ・デイ 父を想う日」実話のモデルは誰?映画と実話の違いも紹介

「実話どこまで?」と聞かれたとき、答えは一つにできません。

映画は実話の骨を使って、別の見せ方に組み替えるからです。

 

映画は時系列を整理

実話ベースの回想録は、時間が行ったり来たりします。

記憶はそういう動きをするからです。

映画もこの構造を残しつつ、観客が迷子にならない程度に整理しています。

その結果、映画は「事件が起きた年」や「逃亡の長さ」を、分かりやすさのために圧縮します。

実話の逃亡生活は、もっと長く、もっと地味で、もっと神経が削れるはずです。

映画はその全部を映しません。

映したら観客が耐えられないというより、テーマがぼやけるからだと思います。

映画が映したいのは、逃亡の手口ではなく、ジェニファー・ヴォーゲルの心が擦り切れる過程です。

自分はここを「脚色でしょ」と片づけたくありませんでした。

映画は、実話の説明より、当事者の感情の速度を優先しているだけです。

スピードを合わせないと、家族の地獄が伝わらない。

 

実話は社会的事件、映画は家庭の地獄

贋札事件は社会的なニュースです。

逮捕、裁判、逃亡、追跡、ここだけを並べれば犯罪の物語になります。

でも映画「フラッグ・デイ 父を想う日」は、事件を「家庭の中の出来事」として見せます。

父親ジョン・ヴォーゲルの犯罪が怖いのは、偽札が精巧だったからではありません。

ジョン・ヴォーゲルの犯罪が家族の生活をねじり、母親パティを壊し、娘ジェニファー・ヴォーゲルの判断力を狂わせていくからです。

映画がえげつないのは、母親パティの崩れ方を「原因の説明」で済ませないところです。

酒が増える。

家が荒れる。

子どもが放置される。

そういう場面を、ドラマの盛り上げとして扱わず、生活の一部として置きます。

ここは映画の選択です。実話の母親パティの細部をどこまで再現したかより、映画が「母親パティを救済しない」方向を取ったことが重要です。

 

実話の結末は事実、映画の結末は

実話では、ジョン・ヴォーゲルの最期は、警察に追い詰められた末の自死として語られます。

映画も、その影を強く残します。

ここは変えようがない部分です。

変えたら別の話になってしまう。

ただ、映画がやっているのは「事件の終わり」を描くことではありません。

映画が描くのは、ジェニファー・ヴォーゲルが父親ジョン・ヴォーゲルをどう心の中で片づけたか、片づけきれなかったか、そこです。

だから結末が派手に終わらない。ニュースが流れても、スカッとしない。

ジェニファー・ヴォーゲルの顔に「勝った」が出ない。

この感じが残るから、映画は実話の陰に寄り添います。

 

ジェニファー・ヴォーゲルの「好き」が一番こわい

映画の中心には、ジェニファー・ヴォーゲルの「父親ジョン・ヴォーゲルが好き」という感情があります。

これが、観客にとって一番扱いづらい。

父親ジョン・ヴォーゲルは嘘をつきます。

逃げます。借金を残します。

家族を置いていきます。

なのに、ジェニファー・ヴォーゲルは嫌い切れない。

嫌い切れない理由が「父親だから」で終わらないのが怖いです。

父親ジョン・ヴォーゲルは、ほんの一瞬だけ、娘ジェニファー・ヴォーゲルの世界を明るくしてしまう。

だから記憶が分裂します。

最低の父親と、優しい父親が同じ顔をしている。

この「分裂」を見ていて、胸の奥がザラつきました。

嫌いになれない相手がいると、人は理屈を後ろに回します。

理屈を後ろに回した分だけ、次の裏切りが深く刺さる。

ジェニファー・ヴォーゲルはそれを何度も受けます。

 

ジョン・ヴォーゲルは悪人なのか?

ジョン・ヴォーゲルは善人ではありません。

それなのに、ジョン・ヴォーゲルの場面には妙な温度があります。

贈り物を用意する。言葉で抱きしめる。

約束を語る。家族を笑わせる。

そういうことをジョン・ヴォーゲルはできてしまう。

ここが一番いやらしい。

ジョン・ヴォーゲルが冷酷なだけなら、切り捨てられます。

ジョン・ヴォーゲルが優しいだけなら、救われます。

ジョン・ヴォーゲルは両方を同じ手でやる。

だからジェニファー・ヴォーゲルが壊れていくのが分かるし、見ている側も逃げにくい。

自分は、ジョン・ヴォーゲルが泣く場面が一番苦手でした。

泣かれた瞬間に、娘ジェニファー・ヴォーゲルの過去の努力が無駄になる気がするからです。

泣くことで許しを引き出すタイプの人間は、謝罪ではなく空気を支配してくる。

映画はそこを、説明でなく場面で見せます。

 

「実話の違い」を知ると

映画だけを見ても痛いです。

でも、実話のモデルが実在し、回想録が当事者の記録だと知ると、痛みが増えます。

映画の場面が「作り話の悲劇」ではなく、「こういう家が実際にあった」の方向に寄っていくからです。

実話と映画の違いを知ったうえで、自分が一番印象に残ったのは、ジェニファー・ヴォーゲルが前に進む場面です。

父親ジョン・ヴォーゲルを許すから前に進むのではありません。

父親ジョン・ヴォーゲルを許さないから前に進むのでもありません。

父親ジョン・ヴォーゲルを好きだと言ってしまう自分ごと抱えて、前に進む。

その感じが残ります。

 

まとめ

映画「フラッグ・デイ 父を想う日」の実話のモデルは、父親ジョン・ヴォーゲルと娘ジェニファー・ヴォーゲルです。

映画と実話の違いは、事件の年表のズレより、映画が「家庭の地獄」に焦点を寄せている点にあります。

贋札事件の派手さより、父親ジョン・ヴォーゲルが家族に残した傷の方が重い。

そこを逃げずに見せたから、この作品は後を引きます。

ここまで読んで、まだ観るか迷っているなら、ひとつだけ言います。

気持ちよく終わる映画を探しているなら避けたほうがいいです。

終わったあとに「父親ってなんなんだ」と残る映画を探しているなら、たぶん合います。

実話映画をジャンル別にまとめた一覧ページはこちらです。

ほかの実話映画も探したい場合は、こちらの記事からチェックできます。

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