映画「ダラス・バイヤーズクラブ」は、HIVと闘いながら全米を相手に立ち上がったひとりの男の実話をもとに描いた、力強いヒューマンドラマです。
正直、観る前はもっとお堅い社会派映画かと思っていたのですが、実際には人間のしぶとさや矛盾、そして命に対する執念みたいなものが、じわじわと胸に沁みてくる作品でした。
映画「ダラス・バイヤーズクラブ」解説
この映画は2013年にアメリカで公開され、多くの映画賞を受賞しました。
特に主演のマシュー・マコノヒーと助演のジャレッド・レトの演技は圧巻で、アカデミー賞でも高く評価されました。
監督はジャン=マルク・ヴァレ。
カナダ出身の監督で、繊細な人物描写に定評があります。
主演のロン・ウッドルーフ役にはマシュー・マコノヒー。
この映画のために激やせしたのはあまりにも有名ですよね。
もう一人忘れてはならないのが、トランスジェンダーのレイヨンを演じたジャレッド・レト。
演技も本当に胸にくるものがありました。
そして、医師役として登場するのがジェニファー・ガーナー。
感情を押し殺しながらも、静かにロンと向き合う姿が印象的でした。
ほかにも、ダラス・ロバーツなど実力派のキャストが脇を固めています。
正直、登場人物のひとりひとりがすごく人間くさくて、観ている側の価値観をグラグラ揺らしてきます。
それもこの映画の魅力なんだと思います。
映画「ダラス・バイヤーズクラブ」あらすじ・ネタバレ
物語の舞台は1980年代のテキサス州ダラス。
ロデオと女遊びが大好きな電気技師ロン・ウッドルーフは、ある日突然HIV陽性を宣告されます。
当時のアメリカでは、HIVは主に同性愛者の病気という偏見が強く残っており、ロン自身も最初はその現実を受け入れられずにいました。
医師からは余命30日と告げられ、激しいショックを受けます。
でも、どこかで諦めきれなかったのか、図書館へ行ってHIVやエイズについて調べ始めるんですね。
正直、この時点でもうロンはただの遊び人じゃないって気づかされました。
情報を集めるうちに、アメリカでは未認可の薬があることを知ります。
どうしても生きたい一心で、その薬を手に入れようとするのですが、病院では思うようにいきません。
ついには賄賂まで使って薬を入手するものの、副作用に苦しむことになります。
そして紹介されたメキシコの医師のもとを訪れたロンは、薬に代わるサプリやビタミンなどの代替療法を知ります。
ここから彼の人生が大きく変わり始めるんです。
結末
メキシコから戻ったロンは、同じように苦しんでいるHIV患者のために薬を届けることを決意します。
ただし、違法行為を回避するために「薬を売る」のではなく、「会員制」にして月額費を支払えば薬が提供されるというシステムを考案します。
それが“ダラス・バイヤーズクラブ”の始まりです。
最初は胡散臭がられながらも、効果が口コミで広がり、次第に多くの患者が集まるようになります。
中でも、トランスジェンダーのレイヨンとの友情は、本当に泣けます。
生きるために出会い、支え合っていく姿に、単なる病気との闘い以上のものを感じました。
一方で、政府やFDA(アメリカ食品医薬品局)はこの動きを違法とみなして圧力をかけてきます。
何度も逮捕されたり、薬が押収されたり、それでもロンは怯まないんですね。
とにかく「生きたい人に必要なものを届けたい」その一心で、突っ走っていきます。
やがて、ロンは裁判を起こして国を訴えます。
裁判の場では、専門家でもない素人が政府と真っ向からぶつかるわけですが、ロンの言葉には説得力がありました。
たとえ法律が追いつかなくても、命は待ってくれないって、すごくリアルな訴え方でした。
結局、法律を変えるには至らなかったけれど、その姿勢や取り組みは確実に多くの人の意識を変えました。
映画のラストで、再びロデオに挑む姿が映されます。
そこに言葉はいらなくて、ただただ「生き切った」という空気が伝わってきました。
1992年にエイズで亡くなったという現実が切ないですが、それでもロン・ウッドルーフの残したものはあまりにも大きかったと思います。
映画「ダラス・バイヤーズクラブ」感想
正直に言うと、「ダラス・バイヤーズクラブ」を観たとき、最初はちょっと構えてたんです。重そうだな、エイズとか実話とか、なんか辛そうだなって。でも、見始めてすぐに、そんな気持ちは吹き飛びました。もうね、圧倒されました。特にマシュー・マコノヒーの演技。あのガリガリに痩せた姿だけでも衝撃だったけど、それ以上に、彼の中にある「怒り」や「悲しみ」、「強さ」が、画面越しにもグワッと伝わってきたんですよね。
ロン・ウッドルーフっていう男、最初は完全に偏見まみれのちょっとやさぐれた男なんですよ。ゲイの人たちを馬鹿にしたり、自分がエイズだって診断されたときも、「オレがそんな病気なわけない!」ってキレたりして。でも、そこからの変化がすごくて…。必死に生きようとする姿とか、自分だけじゃなくて他のHIV患者のことまで考えるようになっていくところとか、どんどん人間としての深みが出てきて、気づいたら完全に感情移入してました。
あと、ジャレッド・レトが演じたレイヨンってキャラクターも忘れられないです。ロンと正反対の存在なんだけど、どこか似てる部分もあるというか。ぶつかりながらも支え合っていく姿には胸がギュッとなりました。レイヨンの最期は本当に悲しくて、涙が止まりませんでした…。
全体を通して、この映画って「生きる」ってどういうことかをすごく深く考えさせてくれるんですよね。ただ延命することが「生きる」なのか、人間らしく誇りをもって日々を過ごすことが「生きる」なのか。ロンの行動はめちゃくちゃで無鉄砲だけど、その根底にある想いはものすごくまっすぐで、観ていて気持ちが洗われるような気さえしました。
観終わったあとは、なんとも言えない余韻が残りました。痛みも、怒りも、希望も、全部ごちゃ混ぜになったような感覚。でも、それがリアルなんだろうなって。だからこそ、この映画はただの感動作ではなくて、もっと深いところにグサッと刺さる作品なんだと思います。
うまく言えないけど、「ダラス・バイヤーズクラブ」って、観てよかったなって心から思える映画でした。ちょっと構えてる人にこそ、あえてすすめたくなる一本です。
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まとめ
映画「ダラス・バイヤーズクラブ」は、単なる病気の話ではありません。
偏見、制度、差別、命…いろんなものと向き合わされる作品です。
そして何より、生きることをあきらめないってどういうことなのか、観る側に問いかけてくる映画です。
初めて観た時の衝撃は、今でも覚えています。
しんどい場面もあるけれど、だからこそ観終わったあとに残る余韻が深い。
誰かのために、自分のために、あがいてみたくなる。そんな気持ちになれる一本でした。
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