映画「グッバイ・ゴダール!」は、1960年代のフランスを舞台に、映画監督ジャン=リュック・ゴダールと若き女優アンヌ・ヴィアゼムスキーの恋と別れを描いた伝記ドラマです。
監督は『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス。
実際にゴダールの二人目の妻だったアンヌの自伝小説『それからの彼女』を原作にしています。
華やかなフレンチカルチャーの時代に、映画と革命、そして愛のはざまで揺れる男女の姿が繊細に描かれています。
映画「グッバイ・ゴダール!」解説

舞台は1968年のパリ。学生デモが激化する時代に、ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として世界を熱狂させたゴダールが、政治と映画の狭間で揺れ動く様子を描いています。
若き妻アンヌとの関係を軸に、アーティストとしての理想、時代の空気、そして人間的な脆さが交錯します。
本作は恋愛映画でありながら、同時に“芸術と現実の間で生きることの苦しさ”を描いた哲学的なドラマです。
ルイ・ガレルが見事にゴダールの不器用な情熱を体現し、ステイシー・マーティンが若さと知性を併せ持つアンヌを演じています。
キャスト
- ルイ・ガレル(ジャン=リュック・ゴダール)
- ステイシー・マーティン(アンヌ・ヴィアゼムスキー)
- ベレニス・ベジョ(ミシェル・ロジエ)
- ミシャ・レスコー(ジャン=ピエール・バンベルジェ)
- グレゴリー・ガドゥボワ(ミシェル・クルノー)
- フェリックス・キシル(ジャン=ピエール・ゴラン)
映画「グッバイ・ゴダール!」のあらすじ・ネタバレ
物語はゴダールの内なる声、「アンヌは僕を捨てる」というナレーションから始まります。
世界的に名声を得たゴダールは、新作『中国女』の撮影現場で19歳の女優アンヌと出会い、瞬く間に恋に落ちます。
アンヌは哲学科の学生で、祖父がノーベル文学賞作家という知的な背景を持つ女性。
二人は映画と思想を語り合い、撮影を通じて急速に距離を縮めます。
プロポーズを受けたアンヌは、憧れの監督と結婚することで新しい世界へ足を踏み入れます。
刺激的な映画作りの日々に包まれ、アンヌの心は未来への期待で満ちていました。
時代の波とすれ違い
しかし、時代は激動の1968年。
パリでは学生運動が広がり、政治の緊張が街を覆っていました。
ゴダールは次第に政治活動へ傾倒していき、映画よりもデモや討論に情熱を注ぐようになります。
かつての情熱的な恋人は、次第に理想に取り憑かれた思想家のような存在へと変わっていきました。
アンヌはそんなゴダールを理解しようと努めますが、次第に“映画を撮ることの喜び”を失っていく夫に戸惑いを覚えます。
カンヌ国際映画祭への招待を受けたアンヌは、久々に笑顔を取り戻すも、ゴダールは映画祭そのものを「権力の象徴」として批判し、反対行動に出ます。
政治と芸術の間で対立が生まれ、二人の溝は深まっていきました。
芸術家の孤独とアンヌの決意
ゴダールは自らの名前を捨て、仲間と共に「ジガ・ヴェルトフ集団」を結成します。
商業映画を否定し、新しい映画の形を模索する姿勢は、アンヌにとって理解しがたいものでした。
ローマでの映画会議ではベルトリッチ監督と激論を交わし、周囲から孤立していくゴダール。
その姿を見つめるアンヌは、次第に女優としての自分を取り戻そうと決意します。
イタリアの監督マルコ・フェレーリから出演依頼を受けたアンヌは、新しい挑戦に胸を躍らせながら現場へ向かいます。
一方、ゴダールは嫉妬と不安に苛まれ、アンヌを追ってイタリアへやってきます。
撮影現場での明るい雰囲気とアンヌの笑顔を見たゴダールは、怒りを抑えられず、ホテルで激しい言い争いになります。
「孤独だ」と嘆くゴダールに、アンヌは静かに言い放ちます。
「孤独なのは、あなたが世界を拒んでいるから」。
別れと再生の瞬間
翌朝、ゴダールは自殺未遂を起こします。幸い命は取り留めましたが、二人の関係は完全に壊れてしまいました。
その後もゴダールは撮影を続けようとしますが、理想を語るたびに周囲は離れていきます。
かつて愛された天才監督は、孤独と思想に飲み込まれていくばかりでした。
アンヌはそんな姿を見つめながら、もう振り返ることなく新しい道へ進む決意を固めます。
ラストでは、ゴダールの丸いメガネが割れる象徴的なシーンが映し出され、時代がひとつ終わりを告げます。
愛と理想の狭間で傷ついた若いふたりの姿に、観客は胸を締めつけられるような余韻を残されるのです。
映画「グッバイ・ゴダール!」感想
映画「グッバイ・ゴダール!」を観て、心が静かにざわめきました。
60年代のフランスの空気、政治と芸術が混ざり合う時代の熱、そして愛する人とのすれ違い。そのすべてが美しくて、どこか痛々しく感じました。
アンヌ・ヴィアゼムスキーの視点で描かれる物語は、とても人間的です。
恋の始まりはまぶしく、ゴダールという存在がまるで世界そのもののように輝いて見える。けれど、理想に燃えるほど現実から離れていくゴダールの姿を見ているうちに、「天才を愛する」ということの難しさが胸に迫ってきました。
アンヌが涙をこらえながらも、少しずつ“ひとりの女性”として自立していく姿に、静かな強さを感じました。
ゴダールを演じたルイ・ガレルは本当に絶妙でした。
理屈っぽくて、神経質で、でもどこか子どもみたいに不器用。あのメガネの奥の瞳に、燃え尽きそうな情熱と孤独が見えました。
ステイシー・マーティン演じるアンヌは、その光と影の中で揺れながらも、自分の道を選んでいく。最後の決断のシーンは、切なさと解放が同時に押し寄せてきました。
この映画を観て思ったのは、「理解できない人を愛する」ということも、ひとつの勇気だということです。
愛が終わっても、共有した時間は消えない。
アンヌにとってゴダールは、痛みを伴う“青春の象徴”であり、そこから抜け出すことが彼女の再生だったのだと思います。
映像も音楽もすべてが美しく、まるで60年代の空気を吸い込んでいるようでした。
映画の最後、割れたメガネが映し出された瞬間、「時代は過ぎても、夢は残る」という言葉がふと頭をよぎりました。
愛と理想のはざまで生きたふたりの物語が、今も胸の奥で静かに光っています。
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まとめ
「グッバイ・ゴダール!」は、恋愛映画でありながら、時代の理想と芸術のあり方を問う作品でもあります。
アンヌの視点から描かれるゴダールの姿は、天才という言葉では片づけられないほど人間的で、矛盾に満ちています。
愛すること、理解し合うこと、そして時代に立ち向かうこと。そのすべてがひとりの女性の成長物語として心に残ります。
60年代のパリの風景やファッション、音楽も魅力的で、観ているだけで当時の空気を感じられるような映画です。
芸術と愛の終わり方を静かに描いた本作は、観る人それぞれの“別れ”の記憶を呼び覚ますような作品でした。


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