映画「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」は、ファッション写真家ヘルムート・ニュートンの撮影現場と、その写真を見てきた女性たちの声を集めたドキュメンタリーです。
ヘルムート・ニュートンの写真は、ヌードや挑発的な構図で有名ですが、この作品は「すごい写真家だった」で終わりません。
インタビューに登場するのは、シャーロット・ランプリング、イザベラ・ロッセリーニ、グレイス・ジョーンズ、アナ・ウィンター、クラウディア・シファーなど、実際にヘルムート・ニュートンと仕事をした女性たちです。
さらにスーザン・ソンタグがテレビ番組でヘルムート・ニュートンを批判する映像まで入り、賛成と反対の両方を見せます。
この記事では、作品概要、登場人物、そして結末まで含めたネタバレあらすじを、言い回しをぼかさずに書きます。
鑑賞前の方は注意してください。
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映画「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」解説



映画「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」は2020年ドイツ映画で、生誕100周年の節目に作られたドイツ映画です。
2020年に生誕100周年を迎えたファッションフォトグラファー、ヘルムート・ニュートンを扱っています。
監督はゲロ・フォン・ブームです。
映画はヘルムート・ニュートン本人の映像も出しますが、中心に置くのはヘルムート・ニュートンと仕事をした女性たちの証言です。
シャーロット・ランプリング、イザベラ・ロッセリーニ、グレイス・ジョーンズ、クラウディア・シファーなどが、撮影中に何が起きたかを具体的に話します。
女性たちの話は同じ方向に揃いません。
面白かったと言う人もいれば、違和感が残ったと言う人も出ます。
この映画はヘルムート・ニュートンを持ち上げる内容ではありません。
批評家スーザン・ソンタグがテレビ番組でヘルムート・ニュートンを「女性蔑視だ」と批判する討論映像が出てきます。
肯定と批判の両方を出すことで、ヘルムート・ニュートンの写真が長年どう見られてきたかを、そのまま見せます。
キャスト(登場人物)
ドキュメンタリーなので俳優のキャストではなく、登場する人物がそのままキャストになります。
ヘルムート・ニュートン本人と、ヘルムート・ニュートンを語る人たちの組み合わせで進みます。
中心人物 ヘルムート・ニュートンとジューン・ニュートン
ヘルムート・ニュートンが撮影する映像や発言が登場します。
妻のジューン・ニュートンは、撮影現場に同行していた立場から、ヘルムート・ニュートンの癖や生活の話をします。
12人の視点として登場する女性たち
- シャーロット・ランプリング
- イザベラ・ロッセリーニ
- グレイス・ジョーンズ
- クラウディア・シファー
- ナジャ・アウアマン
- ハンナ・シグラ
- マリアンヌ・フェイスフル
- シガニー・ウィーバー
- シルヴィア・ゴベル
- アリヤ・トゥールラ
この映画は、こうした女性たちが「撮られた側」として何を感じたかを話す時間が長いです。
写真を作る側と批判する側の代表として登場する人物
アナ・ウィンターが登場し、ヴォーグの編集長としてヘルムート・ニュートンの写真を使った理由を話します。
批評家スーザン・ソンタグが登場し、ヘルムート・ニュートンの写真を女性蔑視だと批判した討論映像が出ます。
この二人がいることで、現場の声だけではなく、社会がどう反応したかも分かる構成になっています。
映画「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」あらすじ・ネタバレ
映画はハリウッドの撮影現場から始まります。
ヘルムート・ニュートンが女性を撮っている場面が出て、ジューン・ニュートンが「ヘルムート・ニュートンは長身の女性が好き」と話します。
シガニー・ウィーバーの撮影シーンでは、丸刈り頭のシガニー・ウィーバーが黒いタイツを着て、ヘルムート・ニュートンがモノクロ写真を狙います。
ヘルムート・ニュートンは「きれいに撮る」より「目に引っかかる形」に持っていくタイプだと分かります。
グレイス・ジョーンズは、ヌード撮影で自然光を使い、股間が陰になる一瞬を狙って撮った話をします。
グレイス・ジョーンズはナイフを持っていて、ナイフの意味は見た人に任せると言います。
この場面で、この映画が「安全な話」をするつもりがないことが伝わります。
シルヴィア・ゴベルは、政治家ジャン=マリー・ル・ペンを犬と撮影した写真を回想し、その構図がヒトラーとジャーマン・シェパードを連想させると話します。
シルヴィア・ゴベルは、ヘルムート・ニュートンが人格を写すために構図を選んだのだろうと解釈します。
ここでヘルムート・ニュートンが「好かれる写真」より「刺さる写真」を選ぶ人だと分かります。
承 撮られる側の不満と、使う側の肯定
イザベラ・ロッセリーニは、被写体はカメラマンの器だと言い切ります。
デヴィッド・リンチとのツーショット撮影で、イザベラ・ロッセリーニに目を閉じさせ、デヴィッド・リンチに顎へ手を這わせるよう指示した話が出ます。
この証言は優しい話ではありません。
イザベラ・ロッセリーニは「使われた」とも受け取れる言い方をします。
でもイザベラ・ロッセリーニは、その結果として写真が強くなることも認めています。
アナ・ウィンターは、ヘルムート・ニュートンの写真が女性に勇気をくれると言い、読者の反応を楽しみにしていたと語ります。
アナ・ウィンターは、ヘルムート・ニュートンが「批判されること」自体を喜んでいたと話します。
ここでヘルムート・ニュートンの性格が見えます。嫌われたくない人ではなく、反応が欲しい人です。
ナジャ・アウアマンの写真の話は炎上そのものです。
車椅子、医療用コルセット、マネキンの足などの演出が差別だと批判されたと語ります。
ナジャ・アウアマンは、ハイヒールを履くと走れないしよろける、その状態を表現したと説明します。
ここで「表現の意図」と「見た側の嫌悪」がぶつかります。映画はどちらかに寄りません。
ブルガリの宝石をつけた女性に、脚付きチキンを持たせて撮った話も出ます。
ヘルムート・ニュートンはチキンが好物で、宝石との落差が魅力だと言います。
高級品をきれいに撮るだけなら仕事は終わるのに、わざわざ場を荒らすような構図を入れる。
ヘルムート・ニュートンはそういう人だと分かります。
スーザン・ソンタグの批判と、12人の女性の言葉がぶつかる
転の中心はスーザン・ソンタグです。テレビ番組でスーザン・ソンタグがヘルムート・ニュートンを面と向かって批判します。
スーザン・ソンタグはヘルムート・ニュートンの写真を女性蔑視で不快だと言い、司会者が困るほど強く言います。
この映像が入ることで、映画は「名誉回復」の作品ではなくなります。
ヘルムート・ニュートンの功績を守るだけの映画なら、この場面は入れません。
シャーロット・ランプリングは、過去に大きな話題を呼んだ経験から、話題になるなら色眼鏡で見られてもいいという考え方を語ります。
グレイス・ジョーンズは鎖につながれた写真の話をし、黒人と白人の枠を超えていると言います。
一方で、ジューン・ニュートンは、ヌードばかり撮るから遊び人に見られるが、ヘルムート・ニュートンはそういう人物ではなかったと証言します。
このあたりは、同じ人物を見ているのに、受け取り方が割れていく時間です。
観ている側の体調によっても印象が変わると思います。
ハンナ・シグラは「ヘルムート・ニュートンは撮りながら何かを探している」と言います。
マリアンヌ・フェイスフルは革ジャンで撮影現場に行ったら、ヘルムート・ニュートンが気に入ってそのまま撮ったと語ります。
ここでヘルムート・ニュートンが細かい演出家である一方、偶然や素材の強さを逃さない人だと分かります。
ヘルムート・ニュートンの生い立ちと最期
結末ではヘルムート・ニュートンの生い立ちが語られます。
ヘルムート・ニュートンは1920年、ベルリンでユダヤ人として生まれ、ナチスの迫害が強まる中で1938年にドイツを脱出します。
シンガポールで足止めされ、現地の新聞社で短期間働き、その後オーストラリアへ渡り、ジューンと出会います。
ジューンは最初、ヘルムート・ニュートンは年配だと思っていたのに、会ってみたら若くて頭が良さそうだったと語ります。
ジューン自身もカメラマンになり、撮影現場に帯同します。
カルラ・ソッツァーニはニュートン夫妻の関係を最高の関係だったと語り、アリヤ・トゥールラは互いへの態度に敬意があったと証言します。
ここでようやく、ヘルムート・ニュートンが「女性を撮る男」という一面だけではないことが見えてきます。
ヘルムート・ニュートンはハリウッドのシャトー・マーモント・ホテルで、自分の作品は死を象徴するものを取り除いていたと語ります。
死は誰にも来るが、ヘルムート・ニュートンは前向きなものを考えたいと言います。
この言葉は、ヌードや挑発的な写真の話と同じ口から出てくるので、少し意外です。
そして2004年1月23日、ヘルムート・ニュートンは交通事故に遭い、病院へ運ばれます。
ジューンは、最愛の夫の安らかな死に顔を覗き込む写真を撮ったと語ります。
最後の最後まで、ジューンはカメラマンとして記録します。
ここで映画は終わります。
この作品はヘルムート・ニュートンを褒める映画でも、叩く映画でもなく、ヘルムート・ニュートンの写真が引き起こした反応をそのまま並べる映画でした。
観終わったあとに残るのは「好きか嫌いか」ではなく、「自分は何に反応したのか」という感覚です。
映画「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」感想
映画「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」を観て、最初に思ったのは「これは好き嫌いで片づけたら負けだな」でした。写真がきれいだった、刺激が強かった、で終わらせると、たぶん映画の真ん中を取り逃がします。ヘルムート・ニュートンの写真って、気持ちよくうっとりするための写真じゃなくて、見た人の反応を引っぱり出す写真なんだなと改めて思いました。
自分はヘルムート・ニュートンのことを、名前だけ知っている程度でした。だから最初は、撮影の裏側を見られるドキュメンタリーとして普通に面白いだろうと思っていたんです。ところが、観ているうちに「撮られる側がどう感じたか」の話がどんどん出てきて、だんだん気軽に見られなくなりました。
グレイス・ジョーンズがヌードでナイフを持つ話とか、シガニー・ウィーバーの丸刈りでの撮影の話とか、いちいち絵が強いです。強いんだけど、強いで終わらないのが厄介でした。撮られた側が「面白かった」と言う場面もあるのに、「あれは気持ち悪い」と言われても納得してしまう場面もある。観ている自分の中で、同じ写真に対して賛成と反対が同時に起きる感じがしました。
いちばん印象に残ったのは、女性たちの言い方が揃わないところです。ヘルムート・ニュートンを持ち上げる人もいれば、言葉を選ばずに違和感を出す人もいる。ここが本当にリアルでした。全員が同じ方向を向いたら、ただの追悼番組みたいになってしまいます。でもこの映画は、そこをやらない。わざとバラバラのまま置いていきます。
アナ・ウィンターが「必要だ」と言う話も、正直わかります。雑誌って、読者の記憶に残らないと意味がないですから。ヘルムート・ニュートンの写真は、好きでも嫌いでも忘れにくい。だから使いたくなる。あの理屈はすごく現実的でした。
逆に、スーザン・ソンタグの批判が入ることで、逃げ道がなくなりました。スーザン・ソンタグの言い方はきついです。でも、画面を見ながら「そう感じる人がいるのは当然だよな」とも思いました。ヌードや構図が挑発的すぎる場面は、見た瞬間に反射で嫌だと感じる人もいるはずです。そこに「芸術だから」で押し切るのは違う。映画がその押し切りをしなかったのが良かったです。
あと、ジューン・ニュートンの存在がすごく大きかったです。ジューン・ニュートンの話が入ると、ヘルムート・ニュートンが「女性を撮る男」だけじゃなくて、夫として生活していた人に見えてきます。嫉妬するかと聞かれてきた話とか、遊び人に見られるけどそうじゃないと言う話とか、身近で見ていた人の言葉には温度がありました。
観終わったあと、ヘルムート・ニュートンの写真を「かっこいい」とだけ言うのは無理になりました。逆に「最低だ」と切り捨てるのも違う気がしました。
自分の中に残ったのは、写真って結局、見る側の反応まで含めて完成するんだな、という感覚です。見た瞬間に体が反応して、頭が遅れて理由を探す。ヘルムート・ニュートンは、その反応を狙っていたんだろうなと思いました。
だからこの映画は、気楽にスッキリするタイプじゃないです。観たあとも「自分は何が嫌だったのか」「どこは面白かったのか」を考えてしまいます。
でもその時間こそが、この映画の面白さだったと感じています。
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まとめ
映画「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」は、ファッション写真家ヘルムート・ニュートンの撮影現場と写真の受け取られ方を、ヘルムート・ニュートンと仕事をした女性たちの証言で追いかけるドキュメンタリーです。
シャーロット・ランプリング、イザベラ・ロッセリーニ、グレイス・ジョーンズ、クラウディア・シファーなどが、撮影で何を求められたのか、どこが気持ちよかったのか、どこが嫌だったのかを、それぞれの言葉で話します。
作品の中では、スーザン・ソンタグがヘルムート・ニュートンの写真を厳しく批判する討論映像も出てきます。
だからこの映画は「天才の仕事を称えるだけ」で終わりません。
賛成と反対が同じ画面に並び、観る側の気分も揺れます。
終盤はヘルムート・ニュートンの生い立ち、戦争での脱出、妻ジューン・ニュートンとの関係に触れ、2004年の事故死までたどります。
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