映画「ワンダー 君は太陽」は実話?オギー役の特殊メイクを解説

映画「ワンダー 君は太陽」は実話?オギー役の特殊メイクを解説
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映画「ワンダー 君は太陽」は、顔に先天性の疾患を抱えて生まれた少年オギーが、学校という社会の中に踏み出し、家族や友達と向き合いながら成長していく物語です。

優しさに満ちた映画として幅広い層から支持されていますが、「これは実話なの?」「オギー役の顔はどうやって作っているの?」という疑問を持つ人も多いはずです。

自分も初めて観たとき、演者の表情がとても自然だったので、本当にこの顔のままの俳優なのかと思ったくらいでした。

この記事では、映画のモデルとなった事実関係や、オギー役の特殊メイクの舞台裏を、できるだけ分かりやすく、そして少し人の温度を残しながら紹介していきます。

映画を観た人も、これから観る人も、背景を知ることで作品の見え方がまた少し変わると思います。

 

目次

映画「ワンダー 君は太陽」は実話?

映画「ワンダー 君は太陽」は実話?オギー役の特殊メイクを解説

映画を観ていると、途中でふと手を止めて考えてしまう瞬間があります。

「これって本当にあった話なのかな?」

オギーの心の揺れ、家族の会話のリアルさ、学校での微妙な空気。

あまりにも等身大だからこそ、作り物というより、「どこかで本当に生きている人たちの話」を覗き見している感覚になるんですよね。

 

物語は実話ではないが、現実から生まれた物語

映画「ワンダー 君は太陽」の原作は、R・J・パラシオによる同名小説です。

この物語は特定の人物の実録ではなく、いわゆるフィクションとして書かれています。

ただし、ゼロから作られた空想というわけでもありません。

きっかけは、とてもささやかな出来事でした。

ある日、作者のパラシオは、顔に先天性疾患を抱える子どもと偶然出会います。

その場にいた大人たちはどう接していいか分からず、視線を逸らそうとしたり、逆に気まずさを紛らわせるために過剰に明るく振る舞ったりしてしまう。

パラシオ自身も同じように戸惑いを感じて、後になって「もっと良い接し方があったのでは」と胸に引っかかり続けたそうです。

 

その時の空気感と、自分の弱さに対する自己嫌悪。

それが静かに心の中に沈殿し、やがて物語という形へ変わっていきました。

つまりこの作品は

  • 現実の「気まずさ」
  • 現実の「戸惑い」
  • 現実の「優しさ」

そういった人間の感情の断片を集めて作られた物語なんです。

だから、登場人物の会話が自然に聞こえるし、行動にも納得感があります。

誰も完璧ではないし、みんな少しずつ間違えます。でもその不完全さが、現実の世界と重なって見えるのだと思います。

学校という場所もまた、とてもリアルです。

いじめは誰か一人の悪意だけで生まれるわけではなく、沈黙、遠巻きの視線、笑い声、そういった細かい空気の積み重ねで生まれていく。

映画はそこをやさしく、だけどはっきりと描き出しています。

なので

「実話ではない」でも「現実から切り離された作り話でもない」

この微妙な距離感が、作品の魅力なのだと感じました。

 

オギーの病気は実在する

主人公オギーは、トリーチャー・コリンズ症候群という顔面形成異常を抱えた少年として描かれています。

名前だけ聞くと難しいですが、顔の骨格や耳、顎の形成に影響が出る遺伝性疾患で、世界中で実在します。

この疾患を持つ子どもたちは、幼い頃から何度も治療や手術に向き合うケースが多く、呼吸や発音にも影響が出ることがあります。

医療面だけでなく、見た目が周囲と違うことで心理的なストレスを抱えることも少なくありません。

映画の中でもオギーは多くの手術を経験し、ヘルメットで顔を隠して生活していました。

でも、それは単なる「かわいそうな設定」として描かれていません。

オギーは

  • 理科が好きで
  • 冗談が好きで
  • 時々拗ねて
  • 時々照れて

普通の10歳の少年として描かれています。

外見の違いは確かに大きな影響を与えますが、人格そのものではない。

映画はこの当たり前だけど見落としがちな視点を、とても優しい温度で示してくれます。

自分がこの映画を観て強く感じたのは「見た目」はその人の一部でしかないということでした。

でも現実の社会は、まずそこから入ってしまう。

その違いに慣れるまでに時間がかかる。

時には傷つけてしまう。

映画はその痛みから目を逸らさず、けれど声高に問題提起するのでもなく、静かに問いかけてきます。

 

オギーの疾患は実在する。

そして、その疾患を抱えて生きる人たちもまた現実に存在する。

だからこそ物語はフィクションでありながら、どこかドキュメンタリーのようにも感じられるのだと思います。

観終わったあと、自分の周りの誰かのことを少し優しく思い出したくなる。

そんな余韻が残りました。

この部分が、ただの感動映画で終わらない理由なのかもしれません。

 

 

映画「ワンダー 君は太陽」は実話?オギー役の特殊メイクを解説

物語に命を吹き込んでいるのは、やっぱり俳優の存在です。

オギーを演じたのはジェイコブ・トレンブレイ。

「ルーム」で世界中の映画ファンを驚かせた子役として知られていますが、今回の役柄は単なる“難役”という言葉では収まりきらないほど繊細で、責任の重い挑戦だったと思います。

見た目の違いを抱えて生きる少年を演じるということは、外見だけ真似すれば成立する役ではありません。

スクリーンの中で息づく心の動き、視線の揺れ、言葉にできない戸惑い。そういった細かな部分まで説得力を持たせる必要があります。

だからこそ、この作品でのジェイコブの仕事は「演技」というより、「オギーとして生きた時間」と呼びたくなるほど自然でした。

少なくとも観ている間、自分は“演じている子役”という意識をすっかり忘れていました。

 

表情が生きている特殊メイク

ジェイコブの素顔は、明るく笑顔の似合う少年です。

その顔立ちが、特殊メイクによってオギーの表情へと変化しています。

とはいえ、いわゆる仮面のように固い造形ではありません。

顔の質感や肌の凹凸まで非常にリアルで、「あ、これはメイクだな」と感じさせないレベルまで作り込まれていました。

撮影前には専用のフェイスパーツを貼り付け、肌の色味を何層にも塗り重ねて質感を作り、ウィッグや義耳で全体のバランスを整えていく工程がありました。

この作業だけで数時間。

まだ幼い俳優にとって、座ったままじっと耐えるだけでも簡単ではありません。

しかもその後には長い撮影が待っているわけで、本当に集中力と忍耐力のいる現場だったと思います。

それでも不思議なのは、ジェイコブ本来の表情がちゃんと伝わってくることです。

  • 驚いたときに少し見開く目。
  • 悲しいときのうつむき加減。
  • いたずらを思いついたときの小さな笑い。

メイクの奥で、感情が確かに動いています。

これは、技術の高さだけでなく、ジェイコブ自身の演技がしっかりと表情に宿っている証拠です。

もしただ外見を寄せただけなら、ここまで温度を感じることはなかったはずです。

 

子役にとって重い役、それでも自然体

ジェイコブは当時まだあどけなさの残る少年でした。

そんな年齢で、外見の違いによって傷つく子どもの心を理解し、表現する。

これは大人の俳優でも簡単ではありません。

役作りの過程で、原作を読み、取材資料に触れ、外見で判断される人がどんな視線を受けるのかを学んだと言われています。

でも、ただ理解するだけでは足りません。

スクリーンの中で生きているのは「可哀想な子ども」ではなく、「笑って怒ってふざける普通の10歳」です。

そのバランスが、本当に見事でした。

オギーは常に泣いているわけではありません。

むしろ、明るさや茶目っ気のほうが強い瞬間すらあります。

悔しい気持ちも、照れくさい気持ちも、全部まとめてオギーの人間性として表現されています。

つまり、外見ではなく「中身のある人間」として成立している。

この自然さが、観客の心をぐっと掴む理由なのだと思います。

もし特殊メイクだけが目立っていて、演技が伴っていなければ、この映画は全く違う印象になっていたでしょう。

しかし実際には、技術も、演技も、そして作品のメッセージも、すべてが静かに重なり合っています。

その結果として生まれたのが、「これはフィクションなのに、本当に生きている少年を見ている気がする」という感覚なのだと思いました。

観終わったあともしばらく胸の奥に残るオギーの表情は、特殊メイクの技術だけではなく、ジェイコブの誠実な姿勢そのものなんだと感じます。

 

まとめ

映画「ワンダー 君は太陽」は、実在の人物を描いた物語ではありませんが、現実の出来事や実在する病気から着想を得て作られたフィクションです。

だからこそ、登場人物の感情や学校での空気感がとてもリアルで、観ている側もいつのまにか物語の中に入り込んでしまいます。

そして、主人公オギーを演じたジェイコブ・トレンブレイの存在が、この映画を支える大きな柱になっています。

特殊メイクという大きなハンデを抱えながらも、自然体の演技でオギーに命を吹き込みました。

メイクの奥からちゃんと表情が伝わってくるのは、技術だけでなく、作品に対する誠実さがあったからこそだと感じます。

見た目ではなく、その人の中身を見ること。

言葉にすると簡単だけれど、実際にはとても難しいテーマを、この映画はやわらかく、そして優しく届けてくれます。

観終わったあと、ほんの少しだけ周りの人へ向ける視線が変わる。

そんな温度を残してくれる作品でした。

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