6月0日 アイヒマンが処刑された日は、ナチス・ドイツの戦争犯罪人アドルフ・アイヒマンが1962年にイスラエルで処刑された、その「直後」に起きた出来事を描いた実話ベースの映画です。
裁判や死刑執行ではなく、極秘裏に行われた遺体の火葬という歴史の空白に焦点を当て、偶然その現場に関わった一人の少年の視点から物語が進みます。
監督と脚本を手がけたのはジェイク・パルトロウ。
本作は、正義や復讐といった言葉では整理できない、沈黙と記憶、そして「歴史に名が残らなかった人間」の存在を静かに浮かび上がらせる作品です。
本記事は結末まで触れるネタバレ解説となっています。
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映画「6月0日 アイヒマンが処刑された日」解説



第二次世界大戦中、ユダヤ人の大量虐殺に深く関与したナチス高官アドルフ・アイヒマンは、戦後アルゼンチンへ逃亡していましたが、1960年にイスラエル諜報機関によって拘束されました。
翌1961年に裁判が行われ、死刑判決が下されます。
本作が描くのは、その裁判や処刑そのものではありません。
処刑後、遺体をどう扱うのかという国家の極秘任務と、それに関わった市井の人々の記憶です。
舞台は1961年のイスラエル。
主人公は、リビアから移住してきた13歳のアラブ系少年ダヴィッド。
歴史の当事者ではない少年が、偶然「歴史の裏側」に触れてしまった体験が描かれます。
キャスト
- ノアム・オバディア(ダヴィッド)
- ツァヒ・グラッド(ゼブコ社長)
- アミ・スモラルチク(ヤネク)
- ヨアブ・レビ(ハイム)
- トム・ハジ(ミハ)
- ヤコフ・ザラ・ダニエル(ヤコフ)
- ジョイ・リーガー(アダ)
- オシェル・マイモン(年老いたダヴィッド)ほか
映画「6月0日 アイヒマンが処刑された日」あらすじ・ネタバレ
1961年のイスラエル。
13歳のダヴィッドは、学校で同級生たちが授業を止めてラジオのニュースに耳を傾ける様子を不思議そうに眺めていました。
ニュースは、ナチス・ドイツの戦争犯罪人アドルフ・アイヒマンに死刑判決が下されたことを伝えていました。
放課後、父ヤコフに連れられて町外れの鉄工所を訪れたダヴィッドは、社長ゼブコのもとで働くことになります。
小柄な体を買われ、炉の掃除役として雇われたのです。
しかしダヴィッドは出来心から、社長室に飾られていた金の懐中時計を盗み、良心の呵責から元に戻そうとして壊してしまいます。
語られない計画
その直後、ダヴィッドは偶然、ゼブコと刑務所の主任看守ハイムの会話を聞いてしまいます。
二人が進めていたのは、アイヒマン処刑後の遺体を火葬するための焼却炉を秘密裏に製作する計画でした。
イスラエルには本来、火葬という文化はありません。
それでも遺骨を残さず、象徴を作らないために、この任務は極秘で進められていました。
盗みが発覚したダヴィッドは解雇されることなく、そのまま鉄工所で働き続けることを許されます。
学校ではいじめに遭っていたダヴィッドにとって、鉄工所は初めて居場所と呼べる場所になっていきます。
一方、アイヒマン裁判の主任捜査官ミハは、アウシュビッツ強制収容所の生存者でした。
ミハは、自らの体験を語る意味について葛藤しながらも、語り続けなければ理解されない現実を痛感していました。
処刑の夜
1962年5月31日から6月1日にかけての未明、アイヒマンの死刑は執行されます。
鉄工所には連絡が入り、完成した焼却炉は刑務所へ運ばれました。
ゼブコは、アウシュビッツの生存者である従業員ヤネクに、焼却炉の操作を任せます。
しかし重圧に耐えきれず、ヤネクは操作に失敗します。
追い詰められたヤネクは鉄工所へ電話をかけ、ダヴィッドが操作方法を指示します。
少年の声に導かれ、ヤネクは役目を果たし、アイヒマンの遺体は火葬されました。
名が残らない記憶
夜明け後、ヤネクが戻ると、ゼブコはダヴィッドを呼び出し、給料を渡した上で鉄工所から去るよう告げます。
ここは人生を終える場所ではなく、学校で学び、別の道を進むべきだと諭すためでした。
ダヴィッドは再び学校へ戻りますが、同級生たちはアイヒマン処刑をゴシップとして消費するだけでした。
ダヴィッドは取っ組み合いの喧嘩を起こします。
アイヒマンの遺骨は、刑務官たちによって領海外へ散骨されました。
時は流れ、年老いたダヴィッドは、自分も焼却炉製作の一員だったと記録に残してほしいと訴えます。
しかし証言はなく、歴史に名前は刻まれません。
それでもダヴィッドは語ります。
自分は確かに歴史に触れ、歴史もまた自分に触れたのだと。
この映画は、語られなかった者たちの記憶が、確かに存在していたことを静かに伝えて終わります。
映画「6月0日 アイヒマンが処刑された日」感想
映画「6月0日 アイヒマンが処刑された日」を観て、正直なところ、想像していたタイプの映画とは違いました。
もっと裁判や処刑の緊張感を前面に出した作品なのかと思っていましたが、実際はかなり静かで、感情を大きく揺さぶる場面も多くありません。
でも、観終わったあとに残ったものは、意外と重かったです。
この映画が印象に残った一番の理由は、「歴史の中心にいない人」の視点で描かれている点でした。
主人公のダヴィッドは、ユダヤ人でも裁判の関係者でもなく、まして英雄でもありません。
たまたまその場にいただけで、気づいたら歴史の裏側に足を踏み入れてしまった少年です。
その距離感が、とてもリアルに感じました。
歴史的な出来事って、どうしても「意味」や「正義」で語られがちですが、実際にはよく分からないまま巻き込まれる人のほうが多い。
ダヴィッドの戸惑いや居心地の悪さを見ていると、その感覚が伝わってきます。
鉄工所の人たちも印象的でした。
復讐心を燃やすわけでもなく、声高に正義を叫ぶわけでもない。
それぞれが過去を抱えたまま、淡々と役目を引き受けている姿が、この映画の空気を作っていたと思います。
個人的に一番刺さったのは、ラストの年老いたダヴィッドの場面です。
自分は確かに歴史に触れたはずなのに、証言も記録もなく、名前は残らない。
それでも「自分はそこにいた」と訴える姿は、切なくもあり、どこか身近にも感じました。
この映画は、分かりやすいカタルシスはありません。
観てスッキリする作品でもないと思います。
でも、歴史の影にいた人間の感覚や、語られないまま消えていく記憶について考えさせられる一本でした。
派手さはないけれど、静かに心に残る。
そんなタイプの映画だった、というのが自分の率直な感想です。
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まとめ
6月0日 アイヒマンが処刑された日は、ナチス戦犯アイヒマンの処刑という歴史的事件を、裁判や死刑執行ではなく「その後」に焦点を当てて描いた異色の実話映画です。
極秘裏に行われた火葬と散骨、その裏側に関わった名もなき人々の記憶を、13歳の少年ダヴィッドの視点から静かに追っていきます。
派手な演出や分かりやすい感動はありませんが、歴史の中心に立たなかった人間の戸惑いや沈黙が、観終わったあともじわじわと残ります。
正義や復讐という言葉では整理できない感情を描いている点が、この作品の大きな特徴です。
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