映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(原題:La Môme)は、2007年にフランス、イギリス、チェコの合作として製作された伝記ドラマです。
「そして『愛』は歌い継がれる…愛を生きた世界の歌姫 涙と喝采の物語」というキャッチコピーのもと、名曲『愛の賛歌』『バラ色の人生』などで知られるフランスを代表する歌手エディット・ピアフの壮絶な人生を描いています。
劇中で流れるほとんどの歌声は実際のピアフ本人の録音が使われ、魂のこもったリアルな音楽がスクリーンを満たします。
主演のマリオン・コティヤールは圧倒的な演技力で世界を魅了し、アカデミー賞主演女優賞をはじめ、セザール賞、ゴールデングローブ賞など数々の栄誉を手にしました。
映画「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」解説

監督はオリヴィエ・ダアン。
貧困の中で生まれた少女が、歌の力で人生を切り開き、世界的スターへと成長していく過程を描いています。
栄光の裏にあった孤独や悲しみ、そして愛に生きた一人の芸術家としての姿を、音楽と映像で鮮烈に表現した作品です。
第57回ベルリン国際映画祭にも出品され、アカデミー賞では主演女優賞とメイクアップ賞を受賞。
名曲とともに描かれる生涯は、まさに“愛と歌に生きた人生”そのものです。
キャスト
- エディット・ピアフ:マリオン・コティヤール
- モモーヌ:シルヴィー・テステュー
- ルイ・バリエ:パスカル・グレゴリー
- ティティーヌ:エマニュエル・セニエ
- ルイ・ガション:ジャン=ポール・ルーヴ
- ルイ・ルプレ:ジェラール・ドパルデュー
- アネッタ:クロチルド・クロ
- マルセル・セルダン:ジャン=ピエール・マルタンス
- ルイーズ:カトリーヌ・アレグレ
- レイモン・アッソ:マルク・バルベ
- マレーネ・デートリッヒ:カロリーヌ・シロル
映画「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」あらすじ・ネタバレ
1918年、パリの下町ベルヴィル。
貧しい家庭に生まれた少女エディット・ジョヴァンナ・ガションは、幼くして厳しい現実と向き合うことになります。
母アネッタは路上で歌い、わずかな小銭を得る生活。
父ルイは大道芸人として旅を続け、家庭を顧みる余裕がありませんでした。
幼いエディットは母方の祖母に預けられますが、冷たく扱われ、愛情を受けられません。
やがて父の判断で、ノルマンディーで娼館を営む祖母に預けられることになります。
娼館の女性たちに囲まれ、ようやくぬくもりを知るエディットでしたが、病弱な体質から角膜炎を患い、視力を失ってしまいます。
娼婦ティティーヌの祈りと献身により、聖テレーズへの巡礼を経て奇跡的に視力を回復。
7歳のエディットは“生きること”の意味を初めて感じ取ります。
その後、兵役から戻った父に引き取られ、サーカスや路上で芸を披露して暮らす日々の中、初めて人前で歌を歌います。
フランス国歌『ラ・マルセイエーズ』を歌い上げたその声は、人々の心を捉え、拍手喝采を浴びます。
歌こそがエディットの運命を導く光となっていきました。
スターへの階段
1935年、17歳になったエディットは、親友モモーヌとともにパリの路上で歌いながら暮らしていました。
そんなある日、ナイトクラブ「ジェルニーズ」のオーナー、ルイ・ルプレに見出されます。
「スズメみたいだな。ピアフも“スズメ”という意味だ」――こうして「ラ・モーム・ピアフ(小さなスズメ)」の名が生まれました。
ルプレの店で歌い始めると、その力強くも繊細な歌声は瞬く間に話題となり、エディットは一躍スターへと駆け上がります。
しかし、成功の陰に悲劇が訪れます。
恩人ルプレが何者かに殺害され、エディットに殺害関与の疑惑がかけられるのです。
メディアは“闇社会の女”と彼女を叩き、名声は失墜。すべてを失い、絶望の淵に沈みます。
そんなとき、作曲家レイモン・アッソと出会います。
アッソは厳しくも真摯に歌を教え、「歌の代弁者になれ」「観客の心をつかめ」と叱咤します。
日々の特訓を経てエディットは再起を果たし、復帰コンサートを成功させます。
再び喝采を浴びたその姿は、まさに“再生したスズメ”でした。
愛と喪失、円熟の時代
カムバック後、エディットはフランスのシャンソン界で不動の地位を築き、世界的な人気を得ます。
戦後にはアメリカ公演を成功させ、マレーネ・ディートリッヒらとも親交を深めます。
1947年、ボクシング世界チャンピオンのマルセル・セルダンと出会い、激しい恋に落ちます。
マルセルには妻子がいましたが、二人は互いにかけがえのない存在となりました。
この恋はエディットに新たな感情を与え、『愛の賛歌』という名曲を生み出します。
しかし、運命は再びエディットを試します。
1949年、マルセルが乗った飛行機が墜落し、帰らぬ人となります。
悲しみに打ちひしがれながらも、エディットはステージに立ち、涙をこらえて『愛の賛歌』を歌い上げました。
その歌声は、まさに愛する人への鎮魂歌でした。
その後も成功を重ねますが、心の痛みを紛らわせるために酒とドラッグに頼り、健康は次第に蝕まれていきます。
最後の舞台、そして永遠の歌声
1960年、体は衰弱しきっていましたが、エディットは再びパリの「オランピア劇場」に立ちます。
「歌うしかないの」と懇願し、スタッフに止められながらもステージへ。
『パダン』を熱唱し、観客の拍手に包まれながら力尽きて倒れます。
その後、入院生活を送りながらも音楽への情熱は消えず、人生のすべてを歌に捧げ続けました。
1963年、エディット・ピアフは47歳の若さでこの世を去ります。
しかし、その最期の思いはエディットの代表曲『水に流して(Non, je ne regrette rien)』の歌詞そのままでした。
「いいえ、何ひとつ後悔していない。
良いことも悪いことも、すべては私の人生。」
エディット・ピアフの歌声は、今なお世界中の人々の心を震わせ、永遠に生き続けています。
映画「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」感想
映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』を観たとき、まず心をつかまれたのはマリオン・コティヤールの存在感でした。
まるで本当にエディット・ピアフがそこに生きているようで、歌うたびに胸の奥がぎゅっと締めつけられました。メイクや姿勢、声の震わせ方まで完璧で、ただの「演技」を超えて“人生そのもの”を演じているように感じました。
特に印象に残ったのは、恋人マルセル・セルダンの死を知ったあとにステージで『愛の賛歌』を歌う場面です。悲しみと愛、絶望と誇りがすべて混ざり合った表情で歌い続ける姿に涙が止まりませんでした。歌が単なる音楽ではなく、「生きること」そのものになっているのだと強く感じました。
映画全体を通して、ピアフの人生は決してきれいごとではありません。貧しさ、孤独、愛の喪失、そして名声の裏にある苦しみ…。それでも最後まで「歌うこと」を選び続けた姿には、強さと儚さが共存していて、観終わったあとも長く心に残りました。
音楽映画としても本当に素晴らしく、ピアフの歌声が流れるたびに、時代を超えて魂が語りかけてくるような感覚があります。
ラストの『水に流して』の歌詞、「いいえ、何ひとつ後悔していない」という言葉には、人生を燃やし尽くした人だけが言える重みがありました。
観終わったあと、しばらく言葉が出ませんでした。
華やかなスターの物語ではなく、「生きること」と「愛すること」の意味を静かに問いかけてくる映画だと思います。
何度観ても胸を揺さぶられる、大切な一本です。
映画「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」無料視聴の方法
映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』は、U-NEXTで配信されています。
まだU-NEXTを利用したことがない方は、初回31日間の無料トライアルを活用することで、実質無料で視聴することができます。
U-NEXTは、映画・ドラマ・アニメなどの見放題作品が充実しており、特に洋画や名作映画のラインナップが豊富です。
ピアフのような伝記映画や音楽映画も多数そろっているので、映画好きにはぴったりのサービスです。
無料で観る手順
- U-NEXT公式サイトにアクセス
- 「31日間無料トライアル」をクリック
- 必要な情報(メールアドレス・支払い方法など)を登録
- 登録完了後、すぐに見放題作品を視聴可能
- 映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』を検索して再生
※無料期間中に解約すれば、料金は一切かかりません。
※レンタル作品の場合は、無料登録時にもらえる600円分のポイントで視聴可能です。
U-NEXTでは高画質でピアフのライブシーンを堪能でき、字幕や吹替も選べるので、自分のスタイルに合わせて鑑賞できます。
マリオン・コティヤールが体現した“ピアフの魂”を、自宅でじっくり感じてみてください。
👉 U-NEXT公式サイトはこちら(※外部サイト)
音楽映画が好きな方には、『ボヘミアン・ラプソディ』や『グレイテスト・ショーマン』などもおすすめです。
無料期間を上手に使えば、名作を一気に楽しむことができます。
まとめ
映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』は、貧困から世界的歌姫へと駆け上がったエディット・ピアフの波乱万丈な人生を描いた感動作です。
マリオン・コティヤールの圧倒的な演技と、ピアフ本人の歌声が織りなす臨場感はまさに圧巻。
愛と喪失、そして生きる力を感じさせるこの映画は、観るたびに心を震わせてくれます。
作品を通して伝わるのは、「人生に無駄な瞬間などひとつもない」というメッセージです。
エディット・ピアフが最後まで信じた「後悔しない生き方」は、今を懸命に生きるすべての人への応援歌のようにも感じられます。
U-NEXTの無料トライアルを活用すれば、この名作をお得に楽しむことができます。
まだ観ていない方は、ぜひ一度その圧倒的な歌声と生き様に触れてみてください。
コメント