映画「オッペンハイマー」は、観終わったあとに気持ちがすぐ戻ってこないタイプの作品でした。
原子爆弾を作った天才科学者の物語なのに、見ている間ずっと胸の奥がざわつきます。
成功の瞬間が誇らしいはずなのに、どこか怖い。
拍手される場面ですら、空気が冷たいんです。
クリストファー・ノーラン監督らしく、時間軸が入り組んだ構成で進みますが、描いているのは難しい科学の話というより「一人の人間が、取り返しのつかない選択をしたあと、どう生きてしまうのか」でした。
この記事では映画「オッペンハイマー」の結末まで含めて、詳しいあらすじをネタバレありで解説します。
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映画「オッペンハイマー」解説



映画「オッペンハイマー」は2023年公開のアメリカ映画です。
「原爆の父」と呼ばれた物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの半生を描いた実話ベースの人間ドラマで、第二次世界大戦中のマンハッタン計画から、戦後の赤狩りによる追放までが中心になります。
ナチスより先に原爆を完成させるという使命感で走り続けたオッペンハイマーですが、完成した原爆が実際に広島と長崎で使われたことで、心が壊れていきます。
さらに冷戦時代に入り、水素爆弾の開発に反対したことが政治的な敵を作り、国家の中で追い詰められていきます。
本作は日本では2024年3月に公開され、第96回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞など7部門を受賞しました。
歴史を知っている人ほど重く、知らない人でも刺さる、妙に逃げられない映画です。
キャスト
映画「オッペンハイマー」は出演者の数がとにかく多いです。
ただ人数が多いのに、ひとりひとりがちゃんと「政治と科学の空気」を背負っているのがすごいです。
・キリアン・マーフィー(J・ロバート・オッペンハイマー)
天才物理学者でありながら、栄光の中心で自分の選択に押し潰されていく主人公。
・エミリー・ブラント(キャサリン・“キティ”・オッペンハイマー)
オッペンハイマーの妻。聴聞会での存在感が強烈で、黙っているだけで空気を変えます。
・マット・デイモン(レズリー・グローヴス)
マンハッタン計画を動かす軍人。実務で引っ張るタイプで、現場の現実を象徴する存在です。
・ロバート・ダウニー・Jr.(ルイス・ストローズ)
オッペンハイマーを追い詰める側の中心人物。個人的な恨みが国家権力と結びつく怖さを見せます。
・フローレンス・ピュー(ジーン・タトロック)
オッペンハイマーの過去と弱さをえぐる存在として描かれます。
・トム・コンティ(アルベルト・アインシュタイン)
物語の節目で、静かに核心を突く役割を担います。
・ゲイリー・オールドマン(ハリー・S・トルーマン)
短い登場でも圧が強く、政治の冷たさが一瞬で伝わってきます。
映画「オッペンハイマー」あらすじ・ネタバレ
物語は第二次世界大戦後、1954年のアメリカから始まります。
共産党員を公職から追放する赤狩りの嵐が吹き荒れる中、オッペンハイマーはソ連のスパイ疑惑をかけられ、聴聞会に呼び出されます。
オッペンハイマーが追及される理由は、本人が共産党員だったからではありません。
妻キティや弟フランクが元共産党員だったこと、過去に共産主義者と関わりがあったこと、元恋人ジーン・タトロックとの関係などが、政治的に利用されていきます。
ここがこの映画の嫌なところで、証拠よりも空気が強いんです。
疑いをかけられた時点で負けに近い。反論すればするほど怪しく見える。
オッペンハイマーは、国家に貢献した英雄だったはずなのに、国家に切り捨てられていきます。
そして時間はさかのぼり、1926年の若き日のオッペンハイマーへ移ります。
ハーバード大学を最優秀の成績で卒業し、ケンブリッジへ留学しますが、実験物理学に馴染めず苦しみます。
その後ゲッティンゲン大学で学び、ニールス・ボーアやヴェルナー・ハイゼンベルクと出会い、量子力学の道へ進んでいきます。
1929年、博士号取得後にアメリカへ戻り、カリフォルニア大学バークレー校で教鞭を執ります。
この頃からオッペンハイマーは、核分裂が兵器になる可能性を現実として考え始めます。
時代はナチスが台頭し、核開発競争の影が濃くなっていきます。
マンハッタン計画が始動
第二次世界大戦が進む1942年10月。
オッペンハイマーはレズリー・グローヴス准将に呼び出されます。
アメリカ政府はナチスドイツに先を越されることを恐れ、極秘プロジェクト「マンハッタン計画」を立ち上げます。
そしてオッペンハイマーが原爆開発チームのリーダーに抜擢されます。
1943年、ニューメキシコ州ロスアラモスに研究所が設立され、オッペンハイマーは所長として全米から科学者を集めます。
ヨーロッパから亡命してきたユダヤ人科学者も多く、研究所は国家プロジェクトの心臓になります。
ロスアラモスは研究所というより、街そのものです。
科学者だけでなく家族も移住し、何千人もの生活が一つの爆弾のために回り始めます。
オッペンハイマーはユダヤ人としての背景もあり、ナチスより先に完成させる使命感で動きます。
ただ、研究が進むほどオッペンハイマーは怖くなっていきます。
威力が強すぎる。世界が核の炎に包まれるかもしれない。核開発競争が止まらなくなるかもしれない。
成功が近づくほど、オッペンハイマーの表情は明るくならず、逆に冷えていくのが印象的でした。
トリニティ実験成功
1945年5月、ナチスドイツが降伏します。
原爆投下の目的が揺らぎ、科学者たちは開発の継続に異を唱え始めます。
ただ日本は降伏せず戦い続けており、オッペンハイマーは開発続行を説得します。
この場面は観ていてきついです。
正しいか間違いかというより、止められない流れがある感じがして、胃が重くなります。
1945年7月16日、人類初の核実験「トリニティ実験」が行われ成功します。
科学者や軍関係者は歓喜しますが、オッペンハイマーは喜び切れません。
成功の瞬間に、未来の破滅が見えてしまったような顔をします。
原爆は米軍に移管され、トルーマン大統領は日本への投下を決断します。
広島と長崎に原爆が投下され、日本は無条件降伏し、第二次世界大戦は終結します。
オッペンハイマーは英雄として讃えられ、タイム誌の表紙を飾るほどの存在になります。
ただ、その栄光は毒みたいに効いてきます。
オッペンハイマーは幻覚に悩まされ、焼かれていく人々のイメージから逃げられなくなっていきます。
ここが映画としての地獄で、爆弾の映像よりも、オッペンハイマーの顔のほうが怖いです。
成功したのに壊れていく。拍手されるほど苦しくなる。
この逆転が、ずっと胸に残ります。
暴かれる黒幕
1949年、ソ連が原爆開発に成功します。
オッペンハイマーが恐れていた核開発競争が現実になります。
アメリカ国内では水素爆弾開発を進めるべきだという声が強まり、オッペンハイマーは反対の立場を取ります。
オッペンハイマーはトルーマン大統領に国際管理機関の設立を提言しますが、弱腰だと見なされ受け入れられません。
そして1954年、オッペンハイマーは聴聞会に招集されます。
共産主義者との関係を疑われ、徹底的に追い詰められます。
オッペンハイマーを失脚させた黒幕は、アメリカ原子力委員会のルイス・ストローズでした。
ストローズは野心家で、過去にオッペンハイマーに揶揄されたことを根に持っていました。
さらに水爆開発を巡る対立もあり、ストローズはオッペンハイマーを公職から追放しようと動きます。
キティはストローズの企みに気づきますが、どうすることもできません。
オッペンハイマーはついに追放され、国家の中心から消されていきます。
それから数年後の1959年。
今度はストローズが公聴会に呼び出され、商務長官就任を狙う中で過去の企みが暴露されます。
マンハッタン計画に参加した科学者デヴィッド・L・ヒルが、ストローズの陰謀を明るみに出したのです。
ストローズは結局、長官就任を却下されます。
ストローズは、アインシュタインに無視された理由をオッペンハイマーのせいだと思い込みます。
しかし真相は違いました。
アインシュタインはオッペンハイマーに、大量破壊兵器を作った代償を受け止めるべきだと厳しく言い放ちます。
オッペンハイマーは核の連鎖反応について、自分は成功したと思っていると語ります。
その言葉にアインシュタインは言葉を失い、強張った表情で立ち去ります。
ラストでオッペンハイマーは池の水面を見つめます。
頭の中には原爆が爆発する瞬間が何度もフラッシュバックします。
成功の記憶が、ずっと罰として残り続ける。
映画はその感覚で終わります。
映画「オッペンハイマー」感想
映画「オッペンハイマー」を観たあと、正直すぐには席を立てませんでした。
面白かったとか、すごかったとか、そういう一言で片づけたくない気持ちが残ってしまって、頭の中がずっとザワザワしていました。
自分はノーラン監督の作品って、観ている最中は「理解しなきゃ」って気持ちになりがちなんですが、今回は逆でした。
理解するより先に、感情が先に揺さぶられました。
なんというか、ずっと落ち着かないんです。観ている間も、観終わったあとも。
この映画って、原爆を作った人の話なのに、成功の瞬間が気持ちよくないんですよね。
普通なら「やった!」ってなる場面が、どこか怖い。
歓声が上がっているのに、空気が冷たい。
自分はその感覚がずっと引っかかりました。
トリニティ実験のシーンも、派手な爆発を見せて盛り上げるというより、静けさが怖かったです。
爆発の前の空気とか、息を止めて待つ時間とか、あの一瞬の張りつめ方が本当にきつい。
成功したのに、喜んでいいのか分からない感じが残りました。
そして一番しんどかったのは、戦争が終わったあとのオッペンハイマーです。
国の英雄として持ち上げられているのに、本人はどんどん壊れていく。
拍手されればされるほど、目が死んでいくように見える。
あれは観ていて胸が苦しくなりました。
オッペンハイマーって天才だし、偉業を成し遂げた人物なのに、映画の中ではずっと「人間」なんですよね。
強くて完璧な英雄じゃない。
迷うし、焦るし、弱いところもある。
その弱さがあるからこそ、余計にリアルに感じました。
あと、この映画は科学の話より、政治の怖さが刺さりました。
赤狩りの時代に入ってからの流れは、本当に息苦しいです。
証拠で裁かれるというより、空気で潰されていく。
一度疑われたら、何を言ってもダメな感じがあるんですよね。
自分はあの聴聞会の場面を観て、胃がキリキリしました。
誰かを追い詰めるときって、こういうふうに正しさを装ってくるんだなと思ってしまって。
正直、映画の中の話なのに現実っぽくて怖かったです。
ストローズの存在も、妙にリアルでした。
「国家のため」みたいな顔をしながら、個人的な感情が混ざっている。
あのねじれが、いちばん厄介なタイプの敵だと思いました。
正義の戦いじゃなくて、人間の意地と権力が絡んだ戦いになっていくのが、観ていてしんどいです。
それでも、自分はこの映画を観てよかったと思っています。
気持ちよく泣けるとか、スカッとするとか、そういう種類の映画ではありません。
でも「知らなかったことを知った」というより、「見ないふりしてたものを見せられた」感覚が残りました。
ラストの池のシーンも、ずっと頭から離れません。
成功した記憶が、ずっと罰として残り続ける。
取り返しがつかないことをしてしまった人間が、その後も生きてしまう。
あの終わり方は、静かなのに刺さりました。
観終わったあと、自分はニュースの見方が少し変わりました。
科学の進歩ってすごいけど、進歩した瞬間にもう止められないものもある。
誰かが「作れる」と証明した時点で、世界はもう戻れない。
そんな怖さが、映画の中だけじゃなく現実にも繋がって見えました。
映画「オッペンハイマー」は、観る人を選ぶと思います。
でも、刺さる人には深く刺さります。
自分にとっては、しばらく引きずるくらい重くて、でも忘れたくない映画でした。
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映画「オッペンハイマー」は長尺で重いテーマですが、そのぶん観終わったあとに残るものが大きい作品です。
無料で観られるタイミングなら、試してみる価値は十分あります。
まとめ
映画「オッペンハイマー」は、「原爆の父」と呼ばれた物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの半生を描いた実話ベースの作品です。
マンハッタン計画で原子爆弾を完成させた功績だけでなく、広島と長崎への投下後にオッペンハイマーが抱え続けた苦悩、そして冷戦下の赤狩りによって追い詰められていく流れが丁寧に描かれます。
特に印象に残るのは、成功の瞬間が「勝利」ではなく「恐怖」に見えてしまうところです。
英雄として称えられるほど心が壊れていくオッペンハイマーの姿は、観終わったあとも簡単に忘れられません。
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