正義のために始めたはずの警察人生が、いつの間にか“悪”に染まっていた――。
映画「日本で一番悪い奴ら」は、北海道警の実際の不祥事“稲葉事件”をもとに描かれた衝撃のクライム・エンターテインメントです。
綾野剛さん演じる主人公・諸星要一の破滅への道のりを、軽妙なテンポと重たい現実が交錯する独特のタッチで描き切っています。
この記事では、物語のあらすじやネタバレ、実際に視聴した感想、そしてU-NEXTで無料視聴する方法まで、たっぷりとご紹介します。
映画「日本で一番悪い奴ら」解説
2016年に公開された映画『日本で一番悪い奴ら』は、北海道警察を舞台にした実在の事件「稲葉事件」をモチーフに、警察官が裏社会との癒着の中で徐々に“悪”に染まっていく姿を描いたクライム・エンターテインメントです。
主演は綾野剛さん。
実在の人物をモデルに、徹底した役作りで主人公・諸星要一の光と影を演じきりました。
監督は白石和彌さん。
『凶悪』『孤狼の血』など硬派な作品を手がけてきた鬼才が、またしても日本社会の裏側に鋭く切り込んだ問題作です。
物語は、柔道エリートとして北海道警に入った一人の若者が、「検挙成績」という警察内の“点数主義”に翻弄され、やがて覚せい剤や銃密輸、ヤクザとの癒着にまで手を染めていく転落の道を描いています。
笑えるようで笑えない、リアルな悲劇。人間の弱さと狂気が胸に刺さります。
キャスト・スタッフ
- 監督：白石和彌
- 原作：稲葉圭昭『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』
- 主演：綾野剛（諸星要一）
- 共演：YOUNG DAIS（パキスタン人・モハマド太郎）、矢吹春奈、瀧内公美、中村獅童（黒岩）ほか
- 公開年：2016年
- 上映時間：135分
- 製作国：日本
- ジャンル：アクション、クライム、ドラマ
映画「日本で一番悪い奴ら」あらすじ・ネタバレ
物語の主人公・諸星要一は、柔道での実績が評価され、北海道警察にスカウトされます。
最初は純粋で真面目な青年で、理想に燃えて警察官となりますが、配属された現場では雑用ばかりを任される毎日。
刑事として結果を出せない現実に、焦りと不満を募らせていきます。
ある日、先輩刑事から「点数を取らなければ評価されない」という言葉をかけられたことで、諸星は一つの「覚悟」を決めることになります。
それは、法や倫理を度外視してでも成果を出すという道でした。
拳銃摘発でのし上がるため
評価されたい一心で、諸星は裏社会に足を踏み入れます。
ヤクザや密入国者など、いわゆる「S（スパイ）」と呼ばれる情報提供者たちと手を組み、拳銃を持たせてから摘発する、という手法を繰り返すようになります。
自ら犯罪を仕込み、検挙することで点数を稼ぐというそのやり方は、常軌を逸していましたが、結果として「拳銃摘発のエース」として表彰されるまでに。
本人も「北海道警察のためにやっている」と信じて疑わず、自身の行為を正当化するようになります。
黒岩・太郎との奇妙なバディ関係
この頃、諸星は二人の男と深く関わるようになります。
一人は、元ヤクザでありながら諸星の相棒として働く黒岩。
もう一人は、中国語通訳を務める太郎という男です。
彼らは、諸星の作戦に欠かせない存在として行動を共にします。
三人の関係は、まるで仲間のように見える瞬間もあるのですが、それぞれの立場や利害関係が複雑に絡み合い、次第に「友情」とは呼べない方向へ向かっていきます。
利害で結ばれた関係のもろさ、人間の裏切りやずるさが浮き彫りになる展開です。
成果の先にある転落の始まり
諸星の作戦はエスカレートしていきます。
拳銃だけでは物足りず、遂には覚せい剤の摘発にも手を伸ばし始めます。
もちろんその裏には、違法な取引やスパイとの危険なやりとりがあり、もはや「警察官」としての姿はありません。
取引相手となった東京のヤクザとは関係がこじれ、拳銃入手が困難に。
追い詰められた諸星は、金策に走る中でどんどん精神的にも肉体的にも疲弊していきます。
そんな中、黒岩が突然消息を絶ちます。唯一信頼していた相棒の離脱は、諸星にとって大きな痛手でした。
組織からも見捨てられ
諸星の無理な作戦がたたり、上層部からも見放されます。
かつては英雄のように扱われていた男が、急激に孤立していく様子がとても切ないです。
極度のストレスと失望の中、諸星はついに自ら覚せい剤に手を出してしまいます。
この瞬間、彼は完全に警察官という肩書を捨て、「日本で一番悪い奴ら」へと成り果ててしまうのです。
この転落劇は一気にトーンが変わり、それまでのコメディタッチの雰囲気が、静かで重たいものに変わっていきます。
ここから先は、笑えない、ただただ悲惨な現実だけが描かれます。
暴露と代償
覚せい剤中毒の状態で夕張署に転属された諸星は、所持と使用の現行犯で逮捕されます。
これまでの功績はすべて無効となり、一転して被告人の立場に。
さらに悲劇なのが太郎の死。
獄中で命を絶ったという知らせを聞いた諸星は、ついにすべての実態を世間に暴露する決意をします。
これによって北海道警察の腐敗と、裏社会との癒着が世に知られることとなりました。
映画「日本で一番悪い奴ら」感想
映画「日本で一番悪い奴ら」、これはほんとに衝撃でした。最初はちょっとコミカルでテンポも良くて、「警察×裏社会モノって言っても、こんなに軽く見られる感じなんだ」と思ってたんです。でも、観てるうちに笑えなくなってくるんですよね…。
諸星がぐいぐいと裏の世界に入り込んでいって、次第に手段がどんどん過激になっていく様子が、見ていて怖いくらいリアルで。「ああ、人間ってここまで感覚が麻痺してしまうのか…」ってゾッとしました。最初は“正義のため”とか“組織の評価のため”ってやってたことが、気づけば完全に自分のため、欲のためになっていってて。でもそれって、どこか他人事とは思えない感じもあって…ちょっと自分自身にもグサッとくるというか。
あと、黒岩や太郎との関係も印象的でした。ただの“悪仲間”ってわけじゃなくて、ちょっとした友情みたいなものも見え隠れしてて。その分、最後の裏切りや別れが余計に切なかったです。とくに太郎の結末は…もう胸がギューッとなりました。
それにしても、綾野剛さんの演技がとにかくすごい。序盤の爽やかな新人刑事から、覚せい剤に溺れるボロボロの姿まで、まったく別人に見えるくらい変化してて…。表情も声も全部が狂気に染まっていく感じ、見事すぎて怖かったです。
見終わったあと、「これは単なるフィクションじゃない」って思わせてくるところがまたズルい。実話を元にしてるからこそ、余計に心に残るし、考えさせられます。正義って何だろうとか、組織ってどこまで人を壊すんだろうとか、そんなモヤモヤがずっと後を引く映画でした。
重たい内容ではあるけど、サスペンスとか実録モノが好きな人にはぜひおすすめしたい作品です。観た人とじっくり語りたくなるような一本でした。
映画「日本で一番悪い奴ら」無料視聴の方法
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注意点
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まとめ
映画「日本で一番悪い奴ら」は、警察という“正義の象徴”に潜む闇を赤裸々に描いた問題作です。
笑えるのにどこか怖い、リアルすぎて胸がざわつく。
そんな独特の空気感がクセになります。
綾野剛さんの圧倒的な演技力も光っていて、観終わった後も心に残る一作でした。
まだ観ていない方は、U-NEXTの無料トライアルを活用すれば、お得に視聴することも可能です。
裏社会のリアルと、組織に呑み込まれていく人間の怖さを、ぜひ一度体感してみてください。
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