映画「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」は、観終わったあとに気持ちが少し落ち着くタイプの作品でした。
大きな事件がドーンと起きるというより、ムヒカの言葉と表情、そして暮らしの空気がじわじわ染みてきます。
国家元首というと豪華な宮殿や護衛のイメージが強いですが、この作品のホセ・ムヒカは真逆です。
質素な家で暮らし、贅沢を避け、報酬の大半を寄付しながら政治を続けていく。
その生き方が「きれいごと」に見えないのが、この映画のすごいところだと思いました。
この記事では、映画「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」の結末まで含めて、ネタバレありで詳しく解説します。
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映画「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」解説



映画「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」は2018年公開のアルゼンチン、ウルグアイ、セルビア合作映画です。
南米ウルグアイの第40代大統領ホセ・ムヒカの半生と政治の足跡を辿るドキュメンタリー作品になります。
ホセ・ムヒカは国家元首でありながら質素な生活を続け、「世界でいちばん貧しい大統領」と呼ばれました。
大統領任期中も贅沢をせず、報酬の大半を寄付し、弱い立場の人々のための政策を進めていきます。
本作は、そんなホセ・ムヒカの生き方を美化しすぎず、淡々と映していきます。
若き日の政治闘争、軍事独裁政権下での長い獄中生活、大統領としての政策、そして退任の日までが語られます。
キャスト
この映画はドキュメンタリーなので、物語を演じる俳優がいるわけではありません。
登場するのは、実際の人物たちです。
・ホセ・ムヒカ
ウルグアイ第40代大統領。「世界でいちばん貧しい大統領」と呼ばれた人物。
・ルシア・トポランスキー
ムヒカの妻であり政治家。ムヒカの人生の隣にいる存在として大きいです。
・エレウテリオ・フェルナンデス=ウイドブロ
ムヒカの仲間として登場し、時代背景を語る重要人物です。
・マウリシオ・ロセンコフ
政治闘争や獄中生活を知る側として、ムヒカの過去を補強します。
・エミール・クストリッツァ
本作の監督。インタビューを通してムヒカの言葉を引き出していきます。
映画「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」あらすじ・ネタバレ
物語の軸になるのは、2014年のインタビューです。
ホセ・ムヒカは2010年に大統領に就任し、任期満了の2015年まであと1年という時期でした。
監督のエミール・クストリッツァはムヒカの自宅を訪れ、庭でインタビューを始めます。
この時点でもう空気が独特です。大統領の家というより、近所の人の家みたいな雰囲気があるんです。
ムヒカは自分のことを語り始めます。
ホセ・ムヒカは1935年にウルグアイの首都モンテビデオ郊外で生まれました。
幼少期のウルグアイは政治と経済が安定し、民主主義国家として成長し「南米のスイス」と呼ばれるほどになっていきます。
ただムヒカが成人する頃、ウルグアイは再び政情不安に陥ります。
1959年のキューバ革命の影響もあり、時代は大きく揺れていきました。
ムヒカの人生はここから一気に荒れていきます。
武力闘争、恋、そして獄中の13年
1960年代、若き日のムヒカは都市型ゲリラ組織に参加し、政治闘争にのめり込んでいきます。
今の穏やかなムヒカからは想像しづらいですが、当時のムヒカは闘争の中にいました。
その激動の時期にムヒカはルシア・トポランスキーと出会います。
ムヒカはルシアとの関係について、「パートナーは緊張状態からの避難場所だ」と振り返ります。
この言葉が妙に胸に残りました。
ロマンチックな話というより、生き残るための居場所だったんだろうなと思ってしまって。
ムヒカの人生はずっと、安心できる場所が少なかったんだと思います。
そして1973年、ウルグアイでクーデターが起き、軍事独裁政権が誕生します。
ムヒカは政治犯として逮捕され、そこから約13年間の獄中生活が始まります。
この13年が、ムヒカの考え方を決定的に変えたと語られます。
刑務所を転々とさせられ、酷い扱いを受け、精神的にも追い詰められる。
それでもムヒカは生き残り、出所したあとに「この経験がなければ成果主義で短絡的で尊大な人間になっていた」と言います。
ここ、すごく重いです。
普通なら人生が壊れた時間として語られそうなのに、ムヒカは逆に「自分を作った時間」として話すんですよね。
その強さが静かに怖いくらいでした。
政治家としての再出発
1985年、軍事政権が崩壊し、ムヒカは出所します。
そこからムヒカは左派政治団体に加わり、政界入りを果たします。
2005年、ウルグアイ史上初の左派政権が誕生し、ムヒカは農牧水産相として入閣します。
そして2009年の大統領選で勝利し、2010年から2015年までウルグアイ第40代大統領を務めることになります。
ここで「世界でいちばん貧しい大統領」という呼び名が現実になっていきます。
ムヒカは大統領になっても贅沢をせず、報酬の大半を寄付します。
さらに自分の財産のすべてを財団に寄付する予定だと語ります。
普通は権力を手に入れたら生活が変わりそうなのに、ムヒカは変えません。
それがパフォーマンスに見えないのは、ムヒカが言葉より先に暮らしで示しているからだと思いました。
映画ではムヒカの政策として「会社福祉住宅計画」が取り上げられます。
貧困層の多い地区に住宅を建て、修復や下水道整備も進める政策です。
ムヒカは報酬の7割を投じてまで支えようとします。
ムヒカは「貧困層が住宅を買うのは困難で、貧困地区には子供が多い」と語ります。
この言葉が、きれいごとじゃなく聞こえるんですよね。
子供が多いという現実を、政治の言葉でなく生活の言葉で言う感じがします。
実際に1500戸の家が建てられ、86の家族に家が与えられたと紹介されます。
雨の日に濡れずに過ごせる。子供が安心して眠れる。
その当たり前が、当たり前じゃなかった人たちに届く。
ムヒカの政策で、ウルグアイの貧困率が39%から11%まで下がったとも語られます。
数字の話なのに、映画の中では人の顔が先に出てくるので、妙に実感がありました。
「ムヒカのまま」
映画の終盤では「農業学校の設立」も取り上げられます。
ムヒカは開校式でスピーチをし、「学校ひとつでは世界は変えられないが、変えるためには沢山の学校が必要だ」と訴えます。
ムヒカは「貧困層には花の育て方を教えるべきだ。お金があれば人は花を買う。富の分配だ」と語ります。
この発想がムヒカらしいです。
いきなり大きな革命を語るのではなく、生活の循環を語るんです。
2015年、ムヒカは任期満了で大統領職を勇退します。
退任式の日、ムヒカは着慣れたスーツを着て、愛車の水色のフォルクスワーゲン・ビートルに乗って式場へ向かいます。
道中、国民がムヒカのもとに押し寄せます。
ムヒカは「資本主義では解決しない。別の道を探さねば。それも積極的に」と語ります。
会場では退任スピーチが行われ、ムヒカは国民に向けてこう言います。
「人生が2回あったら、どちらも皆さんの闘いを支えるために使います。それは人生を愛する最良の道です」
歓声が上がり、ムヒカは任期を全うします。
そして最後は自宅へ帰り、妻ルシアと町の小さなレストランで乾杯を交わします。
このラストがすごく良かったです。
偉大な人物の伝説として終わるのではなく、日常に戻っていく。
ムヒカは大統領を辞めても、ムヒカのままなんです。
映画「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」感想
映画「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」を観たあと、なんだか気持ちが静かになりました。
泣ける映画というより、心の中の騒がしい部分が少しだけ落ち着く感じです。観終わった瞬間に拍手したくなるタイプじゃないのに、じわっと残ります。
最初に驚いたのは、大統領なのに空気が全然偉そうじゃないところでした。
ホセ・ムヒカの家も庭も、テレビで見る国家元首のイメージと真逆で、普通の生活の匂いがします。
この時点で「本当にこの人が大統領だったの?」って思ってしまいました。
でも観ていくうちに、その質素さがただのキャラ作りじゃないのが伝わってきます。
ホセ・ムヒカは言葉が派手じゃないし、正しさを押し付けてくる感じもない。
それなのに、言ってることが妙に刺さるんですよね。
自分が特に印象に残ったのは、ホセ・ムヒカが過去を語る時のトーンでした。
都市型ゲリラとして闘って、逮捕されて、13年も獄中生活をした話って、普通ならもっと怒りとか恨みが出そうなのに、ホセ・ムヒカは淡々としているんです。
淡々としているのに、重い。
あれは強がりじゃなくて、たぶん本当に飲み込んできた時間なんだろうなと思いました。
しかも「刑務所の経験がなければ成果主義で短絡的で尊大な人間になっていた」って言うんですよね。
普通なら人生が壊れた時間として語りたくなるはずなのに、ホセ・ムヒカは逆に「今の自分を作った時間」として話している。
その言葉が自分はちょっと怖かったです。強いなって。
大統領になってからの政策の話も、ちゃんと現実の匂いがしました。
貧困層に住宅を届ける話とか、下水道の整備とか、派手じゃないけど生活が変わる話が中心で、そこが良かったです。
「すごいことをやる」じゃなくて、「当たり前を取り戻す」みたいな政治に見えました。
ホセ・ムヒカが言う「子供が多い」という言葉も、なんか妙にリアルでした。
数字じゃなくて、目の前の生活を見ている人の言葉って感じがします。
こういう政治家がいる国は、少しだけ希望がある気がしました。
そしてラストがまた良いんですよね。
退任式に向かうのに、いつものスーツで、いつもの車で、国民が集まってくる。
大統領が退任するのに、スターみたいな派手さじゃなくて、町の人が見送る感じがある。
最後にルシア・トポランスキーと小さなレストランで乾杯する場面も、すごく好きでした。
大きな舞台から降りたあとに、日常に戻っていく。
あの終わり方が、この映画の全部だなと思いました。
観終わって、自分はちょっと反省もしました。
「もっと頑張らなきゃ」とか「もっと稼がなきゃ」とか、いつも焦ってしまうけど、ホセ・ムヒカは真逆のところにいるんですよね。
でもただ貧しい生活を美化してるわけじゃなくて、「何のために生きるのか」をずっと考えてる感じがしました。
自分はこの映画を観て、心が軽くなったというより、少し整った気がします。
何かを手に入れることより、何を大事にして生きるか。
その順番を思い出させてくれる映画でした。
派手な映画が好きな人には物足りないかもしれません。
でも、疲れている時とか、気持ちがギュッとなっている時に観ると、かなり効くと思います。
自分にとっては、静かに沁みる一本でした。
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まとめ
映画「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」は、ウルグアイ第40代大統領ホセ・ムヒカの半生と政治を追った実話ドキュメンタリーです。
若き日の政治闘争、軍事独裁政権下での13年に及ぶ獄中生活、そして大統領就任後も質素な暮らしを貫きながら弱者のための政策を進めていく姿が描かれます。
派手な演出で泣かせる作品ではありませんが、ムヒカの言葉や表情がじわじわ心に残り、観終わったあとに気持ちが少し整うような感覚があります。
「豊かさとは何か」「政治とは誰のためにあるのか」を、押し付けではなく静かに問いかけてくる映画でした。
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