映画「スペンサー ダイアナの決意」はどこまで実話?史実との違いを整理して解説

映画「スペンサー ダイアナの決意」はどこまで実話?史実との違いを整理して解説
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映画「スペンサー ダイアナの決意」は、伝記映画のと思わせながら、やっていることは少し違います。

冒頭で「a fable from a true tragedy」という断りを入れて、史実の再現よりも、1991年のクリスマスにダイアナが感じた息苦しさを、数日間の出来事として描いています。

「どこまで実話なのか」を知りたい人にとって大事なのは、違いだけではありません。

映画がどこを事実に寄せ、どこを作り話にして、何を伝えたかったのか。

そこを分けると、見終わったあとに頭が混乱しません。

 

目次

映画「スペンサー ダイアナの決意」の舞台

映画「スペンサー ダイアナの決意」はどこまで実話?史実との違いを整理して解説

まずは映画がどの数日を描いたのかを確認すると、どこから作り話が混ざるのかが分かります。

 

1991年のサンドリンガムを「72時間」に

映画「スペンサー ダイアナの決意」の舞台は、1991年のクリスマス前後、エリザベス2世の私有地サンドリンガムで過ごす数日間です。

時間の幅をあえて狭くして、クリスマスイブからボクシング・デーまでの空気を濃くしています。

この時点で、作品は「年表の説明」を捨てています。

代わりに、到着した瞬間から監視の目が増え、食卓の席順と着替えの回数が増え、逃げ場が減る流れを作ります。

サンドリンガムのイベントが進むほど、ダイアナの体が硬くなる描き方です。

 

嫌なほど具体的な王室の習慣

この映画がうまいのは、細かい習慣を「変な話」として積み上げるところです。

サンドリンガム到着時に体重を量る慣習は、映画だけの作り話ではなく、昔から語られてきた王室のクリスマス行事として紹介されています。

服装の着替えがやたら多いことも、サンドリンガムの週末が「食事と行事の連続」になりやすいことも、複数の解説で同じ方向が語られています。

映画がここに力を入れるのは、ダイアナの息が詰まる理由を、説明ではなく手順で見せるためです。

自分はこのタイプの映画を紹介するとき、まず「衣装替え」「体重計」「席順」みたいな細かい作業に注目します。

大きい出来事より、細かい作業のほうが人を追い込むからです。

 

映画「スペンサー ダイアナの決意」の実話の部分

映画「スペンサー ダイアナの決意」はどこまで実話?史実との違いを整理して解説

次は「映画の骨組み」として、史実に寄っている線を整理します。

 

結婚関係が壊れていく

1991年の時点で、チャールズ皇太子とダイアナの関係が悪化していたこと、カミラ・パーカー・ボウルズとの関係が長く問題視されていたことは、映画の背景として広く語られています。

映画は、不倫の証拠を積み上げるような作りにはしません。

代わりに、食卓での会話の温度、廊下ですれ違うときの目線、プレゼントの扱い方で刺してきます。

ここが「実話っぽい」のではなく、「当事者の疲れ方っぽい」方向に寄っています。

 

 摂食障害

映画の中で、食べることと吐くことが近くに置かれます。

ここは刺激が強い場面もありますが、史実としてダイアナが摂食障害について語った事実があり、結婚生活の苦しさと結びつけて話しています。

この点だけは、「映画の演出だから大げさ」と片付けるとズレます。ダイアナの言葉として残っているからです。

 

子どもを「普通の生活」に近づけたかった

映画の中で、ウィリアム王子とヘンリー王子と過ごす時間は、息が戻る時間として描かれます。

ここは実際のエピソードとも相性がいい部分です。

元王室シェフのダレン・マクグラディは、ダイアナが息子たちをマクドナルドに連れて行った話を伝えていて、目的は食事そのものより、子どもが喜ぶ体験だったと語っています。

つまり「王室の子ども」ではなく「普通の子ども」として笑う時間を作りたかった、という方向は、映画の描き方とつながります。

 

映画「スペンサー ダイアナの決意」創作の部分

最後に「ここから先は映画の作り話が多い」と分ける場所を置きます。

 

アン・ブーリンの幻覚

映画にはアン・ブーリンが出てきます。

これは史実の再現ではなく、ダイアナの頭の中を映像にした場面として説明されています。

ここを史実として受け取ると混乱します。

史実の「出来事」ではなく、ダイアナが感じた恐怖や孤立を、アン・ブーリンの物語に重ねて見せる仕掛けです。

自分は、この手の場面は「情報」ではなく「体の反応」として見ます。

胃が冷える感じが出たら、映画の狙いは成功です。

 

監視役のメジャー・アリスター・グレゴリー

映画の緊張を作る中心に、メジャー・アリスター・グレゴリーという監視役がいます。

ところが、この人物は実在の特定人物として裏が取れる存在ではなく、映画のために作られたキャラクターだと解説されています。

ここが大事です。

実在の人物関係として追うと迷子になります。

映画は「誰がやったか」より「逃げ場がない感覚」を作りたいので、監視役を一人に寄せています。

 

真珠のネックレスとKFC

映画の中で、真珠のネックレスが強い引き金になります。

同じ真珠がカミラ・パーカー・ボウルズにも贈られた設定で進み、ダイアナが真珠を口に入れるイメージまで出します。

ここは史実の記録というより、映画が作った場面として扱われています。

そして終盤のKFCも同じです。

ダイアナが息子たちとファストフードに向かう場面は、ダイアナが息子たちに「普通の時間」を渡したという話とつながる一方、場所や細部は疑問視されています。

元王室シェフのダレン・マクグラディは、映画のKFCの描写は現実としては起こりにくい、とコメントした形で紹介されています。

 

まとめ

映画「スペンサー ダイアナの決意」は、1991年のサンドリンガムのクリスマス滞在を数日間に絞って描きます。

王室の習慣や息苦しい空気は実際の話に寄せていますが、幻覚のような場面や象徴として置かれた小道具は映画の演出です。

摂食障害の描写は、ダイアナが実際に語った内容とつながります。

一方で、監視役の人物造形や終盤の展開は、史実の出来事をそのまま再現したものではありません。

当時の出来事として確認できる話と、心の中の揺れを映像にした場面を分けて見ることです。

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