映画「浅草キッド」どこまで実話?映画との比較も紹介

映画「浅草キッド」どこまで実話?映画との比較も紹介 実話ベースの伝記映画
記事内に広告が含まれています。

ビートたけしさんの自伝的エッセイをもとに描かれたNetflix映画『浅草キッド』

昭和の浅草を舞台に、芸人としての原点を築いた若き日のたけしさんと、その師匠・深見千三郎さんとの絆が感動的に描かれています。

実在する人物やエピソードも登場しますが、すべてが事実というわけではありません。

本記事では、映画に描かれた内容がどこまで実話なのかを詳しく検証し、実際のたけしさんのエピソードと映画との違いについても比較しながら解説します。

 

映画「浅草キッド」どこまで実話?

映画「浅草キッド」どこまで実話?映画との比較も紹介

Netflixで配信された映画『浅草キッド』は、ビートたけしさんの自伝的エッセイをもとに制作された作品です。

若き日のたけしが、浅草フランス座で芸を磨き、やがてテレビの世界へと羽ばたくまでの物語が描かれています。

ただし、すべてが実話ではなく、映画としての演出や脚色が随所に含まれています。

 

ビートたけしと深見千三郎の関係は実話

映画の核となるのが、ビートたけしと深見千三郎との師弟関係です。

深見千三郎は実在の人物で、浅草フランス座で活躍した芸人でした。

たけしは大学在学中にフランス座でエレベーターボーイをしており、そこで深見と出会い、芸の基礎を学びました。

深見師匠が「掃除も芸のうち」などと説く厳しい教え方は、ビートたけしがたびたびメディアで語っているエピソードと一致しており、かなり事実に忠実です。

たけしさん本人も「芸の基本はすべて師匠に教わった」と語っています。

 

フランス座での修業生活もほぼ事実

たけしが芸人としてスタートしたのは、まさに映画で描かれている浅草フランス座の舞台です。

最初は裏方の仕事から始まり、徐々に舞台に立ち、観客の前で話すようになります。

舞台裏の雰囲気や芸人同士のやりとりなど、細部の描写も昭和の浅草らしいリアルさがあり、実体験に基づいていると考えられます。

たけしがネタを作ってはダメ出しされるシーン、先輩芸人にしごかれる場面なども、たけしさんがエッセイやインタビューで語っている内容に近く、信ぴょう性が高いです。

 

深見千三郎の描写には脚色がある

一方で、映画の後半に登場する深見千三郎の孤独な姿や、舞台を去っていく描写については、フィクションの要素が強いと考えられます。

実際の深見の晩年については多くが語られておらず、映画のようにたけしとの涙の別れがあったという確証もありません。

また、映画では深見がテレビ出演を断り続け、時代から取り残されていくように描かれていますが、これもドラマとしての演出の一環です。

対照的にたけしがテレビで成功していく描写と重ねることで、物語をより感動的に仕上げるための構成になっています。

 

映画全体は「事実に基づいたフィクション」

映画『浅草キッド』は、あくまで実体験に基づいた物語ですが、映画としての演出が加えられている点に注意が必要です。

とくに感動的なクライマックスやセリフの一部には、監督や脚本の意図による創作が含まれていると考えられます。

たけしさん自身も、自分の過去をそのまま映像化するよりも、作品として伝えたい空気感や精神性を重視したことが伝わってきます。

深見師匠への尊敬の念を軸に、あえて「こうあってほしかった」と思えるような物語が描かれているのです。

 

深見千三郎のプロフィール

深見千三郎さんは、戦後の浅草で活躍した芸人さんで、たくさんの後輩を育てた師匠として知られています。

特にビートたけしさんとは深い関係で、たけしさんが芸の道を進む上で大きな支えになった人です。

もともとの名前は久保七十二さんといって、1923年に北海道で生まれました。

子どものころは、今はもう日本じゃない樺太という場所でも過ごしていて、いろいろ厳しい時代だったそうです。

戦争中に工場で事故に遭い、左手の指を何本か失ってしまいます。

それでも諦めずに舞台に立ち続けました。また、戦争の空襲でご両親を亡くしてしまうなど、つらい経験も重なりました。

戦後は浅草のフランス座という劇場でコントや小芝居をして、お客さんを楽しませていました。

そこでは若手の芸人さんたちを育てることにも力を注いでいました。

弟子にはたけしさんのほかに、萩本欽一さんや東八郎さんなどもいて、みんな深見さんの教えを大切にしていました。

芸の技術だけじゃなく、舞台に立つ心構えや礼儀もしっかり教えていたそうです。

テレビが人気になっても、深見さんはあまりテレビには出ませんでした。

舞台の生の空気を大事にしていたからです。

晩年は芸能界から離れて一般の会社で働いていましたが、1983年に自宅の火事で亡くなりました。享年59歳でした。

たけしさんは今でも深見さんのことをとても尊敬していて、曲や映画で師匠への感謝を表しています。

 

まとめ

映画「浅草キッド」どこまで実話?映画との比較も紹介

映画『浅草キッド』は、ビートたけしさんの原体験をもとにした感動的な作品です。

登場人物や舞台となった浅草フランス座、師匠との出会いなどは実際にあった出来事に基づいています。

一方で、師匠の最期やドラマチックな演出にはフィクションが含まれています。

実話に基づきながらも、映画としての物語性を高めるために脚色された部分もあることを踏まえて見ると、より深く作品を味わえるでしょう。

たけしが大切にしてきた“芸”への想いと、それを育ててくれた浅草という場所の熱気が詰まった、記憶と感謝の映画です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました