映画「後妻業の女」は、後妻業という特殊でちょっと怖い職業をテーマにした作品です。
コメディ要素もあるヒューマンドラマとして描かれ、2016年に公開されました。
今回はこの映画の概要からキャスト、あらすじ、そしてネタバレまでじっくり解説していきます。
映画をまだ見ていない方も、これから鑑賞予定の方も、ちょっとした予習や感想の参考にどうぞ。
映画「後妻業の女」解説
この作品は、鶴橋康夫監督による2016年公開のヒューマンドラマで、上映時間は128分です。
ジャンルとしてはヒューマンドラマの中にコメディ要素もふんだんに織り交ぜられています。
主演は大竹しのぶさんで、後妻業という職業の“悪女”を演じる姿が印象的でした。
ストーリーの軸は、資産目当てに高齢男性と結婚し、遺産を狙うという後妻業の世界をリアルかつ少しユーモラスに描いています。
主演の大竹しのぶさんの存在感が光っていて、単なる悪役以上の複雑なキャラクターになっているのも見どころのひとつです。
僕自身、この映画を見て感じたのは、後妻業というものがこんなに緻密で計算高い世界だとは思わなかったこと。
笑えるシーンも多いけど、どこか背筋が寒くなる怖さも同時に味わえました。
物語の進み方もテンポよく、見やすかったですね。
登場人物とキャスト紹介
「後妻業の女」に登場するキャラクターは個性豊かで、それぞれが物語に重要な役割を担っています。
特に主演の武内小夜子を演じる大竹しのぶさんの演技は圧巻です。
では、主な登場人物を紹介しましょう。
武内小夜子は後妻業を生業とし、資産家の高齢男性に近づき結婚。
その後、夫をできるだけ早く亡くして遺産を丸ごと奪うという冷酷な女性です。
感情の動きがほとんど見えず、計算高くも天才的な悪女ぶりを見せます。
結婚相談所の経営者である柏木亨は、小夜子の後ろ盾的存在で、遺産を山分けする共犯者です。
女性関係も派手でヤクザの組員という裏の顔もあります。
悪党同士のコンビ感が物語のスパイスになっています。
中瀬耕造は小夜子の8番目の夫。
元女子短大の教授で、80歳という高齢。色っぽい小夜子に心を奪われてしまうところが切ないです。
彼の娘たち、尚子と朋美は父親の遺産を巡って小夜子と激しい対立を繰り広げます。
他にも、小夜子の息子や愛人、探偵など魅力的なサブキャラクターが揃い、それぞれが事件の鍵を握っています。
全員が一筋縄ではいかない人物ばかりで、見ていて飽きません。
映画「後妻業の女」のあらすじとネタバレ
物語は2000年の夏から始まります。48歳の武内小夜子は結婚相談所の婚活パーティーで元木という5番目の夫をゲットします。
元木は害虫駆除会社の社長で心臓に持病があるという、まさに小夜子にとっては格好の獲物。
遺産を狙うため、いかに早く夫を亡くすかが勝負です。
裏で小夜子を操る柏木は、そんな彼女の才能に惚れ惚れしています。
数年後、小夜子はさらに6番目、7番目の夫を次々と捕まえます。
中には近畿テレビの元役員という資産家もいて、見事な二股作戦を展開。
2013年には80歳の元女子短大教授、中瀬耕造をターゲットに。
小夜子に夢中になり、家族にも紹介しますが、その家族たちは小夜子に不信感を抱いていました。
中瀬の死
2015年の夏、63歳の小夜子は中瀬が亡くなるのを待っていました。
夜子は中瀬の薬をすり替え、脳梗塞で倒れさせます。
意識不明の中瀬の病状を常に柏木に報告し、二人は次の段取りを進めていきます。
葬儀の費用を中瀬の娘たちに負担させようとする小夜子の図々しさに唖然。
さらには遺産相続をめぐって、遺言公正証書の存在が明らかになります。
その書類は小夜子がほとんどを相続するというもので、娘たちは猛反発します。
特に気の強い次女は弁護士の友人に相談し、探偵を使って小夜子の調査を始めます。
一方、小夜子と柏木は次のターゲット、不動産王の舟山を狙い始めます。
舟山と小夜子の出会いは華やかで、彼らの駆け引きが見どころのひとつとなっています。
法廷バトル
物語は中瀬の遺産相続争いが激化し、家族と小夜子の間で法廷バトルの様相を呈していきます。
小夜子の悪巧みはますます大胆になり、遺産を奪うためなら手段を選ばないことがはっきりしてきます。
その間に、小夜子の息子や柏木の愛人などサブキャラクターの人間模様も浮き彫りになっていき、物語に厚みを与えています。
特に小夜子の息子が母親に対して抱く複雑な感情は切なさを感じさせました。
結末
最後は小夜子の後妻業の実態が露呈し、周囲の人々が次第にその正体を知ることに。
中瀬の遺産相続の決着もつき、法的にも彼女のやり方に対する裁きが下されます。
ただ、最後まで小夜子は自分の行動に一切の後悔も罪悪感も持たず、悪女としての道を全うします。
観客としては、善悪の境界線があいまいなまま物語が終わるので、さまざまな感情が込み上げてきます。
映画「後妻業の女」感想
なんというか、最初はもっとサスペンス寄りの怖い話かと思ってたんですよね。「後妻業」っていう響きもなんか物騒だし。でも、実際観てみたら、予想といい意味で裏切られました。ブラックコメディっていうのかな、笑えるところも多くて、変な話だけどちょっとスッキリする感じすらあった。
大竹しのぶさん演じる小夜子がとにかく強烈。こんなに自由で図太くて、人たらしなキャラクター、なかなかいないと思う。やってることは明らかにアウトなんだけど、なぜか憎めないというか、「あ〜いるいる、こういう人」って思ってしまった自分がちょっと怖い。笑
それにしても、年配の男女の恋愛(?)とか、結婚を巡るリアルなやりとりって、若い恋愛映画とはまた違ったエグみというか、生々しさがあって面白いんですよね。愛というよりは「損得」や「老い」や「孤独」みたいなテーマがベースにあるから、笑ってるうちにちょっと切なくなったりもする。
あと、関西弁が自然で耳に心地よかった。やっぱり関西が舞台の映画ってテンポがいいというか、会話のキレが違うなぁと感じました。キツめのセリフでも、笑いに変えてしまう軽快さがあって、重たくなりすぎないバランスが絶妙でした。
ラストは正直、スカッとするようなしないような、不思議な余韻。でも、「人間って案外、欲望に正直に生きててもいいのかも…?」なんて思ったりもして。もちろん現実でやったらダメなんだけどね。
全体としては、痛快でちょっと切ない大人のコメディ。人間の欲深さやしたたかさを笑い飛ばせるくらいには、人生経験積んだ人にこそ刺さる作品だと思いました。
映画「後妻業の女」無料視聴の方法も紹介
「後妻業の女」、なんだかんだで見逃していた人も多いと思います。
私もその一人だったのですが、最近ふと思い出して観てみたくなって、どこで配信されてるか探してみました。
で、ありがたいことにU-NEXTで見放題配信されていました。
しかも、U-NEXTって31日間の無料トライアルがあるんですよね。
つまり、登録さえすれば、その期間中は「後妻業の女」も含めていろんな作品がタダで観られるというわけです。
手順としてはシンプルで、
- U-NEXTの無料トライアルに申し込む
- ログイン後、「後妻業の女」と検索する
- 見放題対象になっているので、そのまま再生するだけ
という流れです。登録のハードルは正直あまり高くなくて、数分で完了しました。
あと、個人的にちょっとお得だなと思ったのが、登録時にもらえる600円分のポイント。
これがあると、最新映画や漫画の購入にも使えるので、意外と便利でした。「後妻業の女」を観たあとに、何となく関連のありそうな邦画をもう1本観てしまったりして、けっこうハマりました。
もちろん、無料期間中に解約すれば料金は一切かからないので、「とりあえずこの1本だけ観たい」という場合でも安心です。
まとめ
映画『後妻業の女』は、大竹しのぶさんが演じる武内小夜子という強烈なキャラクターを中心に、資産目当ての結婚=後妻業の実態をブラックな笑いを交えて描いたヒューマンドラマです。
中瀬耕造との遺産相続をめぐる法廷バトルや、柏木との共犯関係など、一筋縄ではいかない人間関係が複雑に絡み合い、観ていて飽きません。
物語にはコメディの要素もあるため、サスペンスというよりも皮肉や風刺が効いた大人の物語として楽しめました。
小夜子の破天荒な行動に振り回される周囲の人々、そしてその揺るがない欲望が描かれる結末には、ある種の爽快感すらあります。
配信については、U-NEXTでの見放題配信があり、無料トライアルを利用すれば気軽に視聴できます。
ちょっと風変わりで毒のある邦画を探している人にはぴったりの一本です。
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